NVIDIAは、3Dモデルを生成できるAIモデル「LATTE3D」の開発プロジェクトについて発表した。3Dモデルを生成するAIモデルとして何が画期的なのか。
GPU(グラフィックス処理装置)ベンダーのNVIDIAは2024年3月、同社のブログで、テキストを基に3D(3次元)モデルを生成する人工知能(AI)モデル「LATTE3D」の開発プロジェクトを発表した。3Dモデルを生成するAIモデルはこれまでも存在した。専門家はLATTE3Dには“ある特性”において革新的だと指摘する。
LATTE3Dは、テキストのプロンプト(生成AIに対して出す質問や指示)をほぼ1秒以内で物体や動物の3Dモデルに変換できる。3Dモデルを生成する際は、標準的なレンダリング(画像や映像の描画)アプリケーションで使用できるフォーマットを使用するため、生成した3Dモデルをエクスポートして使うことが可能だ。仮想空間「メタバース」の構築ツール群「NVIDIA Omniverse」で3Dモデルを使うこともできる。
LATTE3Dは「動物」と「物体」の2つのデータセットで訓練されているが、ユーザーは他のデータセットを訓練に使用することもできる。例えば、造園業者が植物のデータセットでLATTE3Dを訓練することで、顧客との打ち合わせに使用する図面作成といった用途に役立てることができる。
ユーザーが入力するプロンプトの理解度を向上させるために、AIベンダーOpenAIのAIチャットbot(AI技術を活用したチャットbot)「ChatGPT」で生成したテキストプロンプトが訓練に使われたという。トレーニングを支えるハードウェアとしては、NVIDIAのGPU「NVIDIA A100 Tensor Core GPU」(以下、A100)が使われた。
ワシントン大学(The University of Washington)情報学部の教授チラグ・シャー氏は、LATTE3Dの革新的なポイントは生成する3Dモデルの良し悪しではなく、生成速度の速さにあると指摘する。従来、3Dモデルの生成には1時間近くかかることがあったが、LATTE3Dはほぼ1秒以内で生成できる。
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