2008年08月25日 08時00分 UPDATE
特集/連載

CRM導入事例:Oracle CRM On DemandSaaS型CRMで実現した組織型営業への転換

組織統合に伴う人員増。そして既に確定している大規模な組織拡大に向け、営業案件を全社的にどう管理するか。日立コンサルティングが選んだのはオラクルのSaaS型CRMだった。

[吉田育代]

急速な組織拡大に伴って浮上した案件管理共有の必要性

 日立コンサルティングは、日立製作所および日立グループのコンサルティング事業を担う戦略会社だ。ミッションは、日立グループが築いてきた実業のノウハウとITソリューションを融合し、日本企業特有の経営課題に対して最適なソリューションを提案、クライアントとともに構築することである。

 同社は、2006年4月に日立製作所の子会社であるエクサージュ(当時)と日立製作所のビジネスコンサルティング部門という2つのコンサルティング組織が1つになって現在の形となった。それまで数十人程度だった社員数が一挙に400人規模に拡大し、「日々進めている案件情報を組織内でいかに迅速かつ正確に共有するか」が大きなテーマとなった。それまでは経営トップが営業担当者の活動を直接掌握できていたが、数百人規模となるとそうはいかない。しかも、同社は2007年、2008年と引き続き規模の拡大を組織運営の前提としていたため、何か強力な情報共有インフラが必要なことは当然予測できた。

 また、日立コンサルティングの経営トップは陣容拡大を好機として、営業ステータスの定義を抜本的に見直したいという意向があった。それまでは同社に限らず日本企業の営業管理はどちらかというと個人型営業で、ステータスの見極めも営業担当者個人が行っていることが多かったが、それではどうしても受注予測の精度にぶれが生じる。顧客との関係が生まれてから、提案を行い、契約を獲得するまでのプロセスの標準化および統一を図るという意味からも、明確な指針となるものが強く求められていた。それならば、自らが組織型営業を実現する案件管理システム構築の成功事例第1号となって、その経験を武器に組織型営業システムのよさを顧客企業へ提案していこうと考えたのである。

SaaS型であること、CRM分野での実績を評価

 営業部門向け情報共有インフラとして同社が検討したのは、CRM(顧客関係管理)システムの導入だった。それは、既に2年先までの組織拡大の見通しが立っていた2006年5月から始まった。同社がシステム選定に挙げた要件は大きく2つある。

 まずは、これからの急速な組織拡大に即応できる柔軟性だ。ユーザー数が飛躍的に拡大すれば、その利用ニーズも時々刻々と変わっていく。その度に時間をかけて改修しなければならないシステムでは、同社にとっては利用価値の低いものになってしまう。具体的には、自社でシステムを持つという選択を避けたかったという。自社でシステムを保有すると、それを管理し運用し続ける専門組織が必要になる。何かニーズに変化がある度に、その組織による対応を待っていたのではタイムラグが生じる。そうではなく、システムを利用するユーザーが自ら設定に手を加えて、使い勝手を向上していけるものが理想だった。

 もう1つは、グローバルな観点でCRMのベストプラクティスを包含しており、自社で適用できるのみならず、日本の顧客企業に自信を持って勧めることができる製品、というものだった。例えば、社内で営業ステータスの定義を一から議論するとなると、10人いれば10通りの意見が出てきて落としどころを見つけるのが難しい。しかし、既に多くの導入実績を持ち、改良されてきたCRMシステムならば安心して採用できるとともに、その利用経験とメリットを顧客企業に伝えることが可能だと考えたのだ。

 そうした観点から同社が選択した製品が、日本オラクルのSaaS(Software as a Service)型CRMアプリケーション「Oracle CRM On Demand」だった。

 評価したのは、まずSaaS型であることである。ハードウェアやソフトウェアを保有することなく、利用者数に応じたシステム規模の拡大が容易に行える。しかも、データベースに項目を追加したり、画面の表示項目を変えたりといった変更をユーザー側で行える高い操作性を持っていた。また、オンプレミス型である「Siebel CRM」がグローバルで知られているブランドネームであったことも大きな選定要因だったという。世界を舞台に活躍する日本企業にも安心して推薦できる点が好都合だったのだ。選定に携わった日立コンサルティングの山尾理紗氏は、実際に製品に触れて感じた点を次のように語る。

 「Oracle CRM On Demandは、SFA(営業支援)の機能と分析機能を同じライセンス体系で利用できるのですが、『プレビューレポート』といわれるテンプレートで用意されたリポートメニューが豊富で、“こういうデータを見たい”というユーザーの要望に応えやすいだけでなく、特に細かい設定をしなくてもそれをすぐに見られるようになっているのがいいなと思いました」(山尾氏)。

 リポートに落とし込む項目も、たくさんあるデータの中から「これは欲しい」「これはいらない」とWebブラウザ上でドラッグ&ドロップで取捨選択すればいい。JavaSQLを知らなくても設定が可能なため、ユーザーが自分の利用スタイルに合わせて使い込んでいけると感じたという。

 折しも当時は、日立コンサルティングと日本オラクルは両社のパートナーシップ強化を進めていたところだった。日本オラクルがOracle CRM On Demandの日本での販売に本腰を入れ始めたこともあって、この製品の採用は極めてすんなりと決まった。

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