無料オフィススイート3製品をざっくりレビューする本連載。第1回はワードプロセッサ機能を見ていく。簡単な文書作成はもちろん、Wordで作成した文書を各製品で閲覧した。
本連載では各社が提供しているオフィススイートのうち、「無料で利用できる」ものの代表的な3つの製品「OpenOffice.org」「IBM Lotus Symphony」「Googleドキュメント」に絞ってその概要を見ていく。なお、各オフィススイート製品の概要は連載各回の最下部に掲載しているので、参照してほしい。
第1回は、ワードプロセッサ機能について概要を紹介していく。日本国内ではジャストシステムの「一太郎」も根強いユーザーを持つが、商用ワードプロセッサ市場はおおむね「Microsoft Office Word」(以下、Word)が標準となっている。ユーザーにとって互換性は非常に気になる点であるため、Word(2003)で作成した文書を各製品で開いてみている。
「OpenOffice.org Writer」(以下、Writer)は、Microsoft Office製品のWordに相当するOpenOffice.orgのワードプロセッサソフトウェアだ。Windows環境に標準的な設定でインストールした場合はデスクトップ上にショートカットが置かれ、すべてのツールにアクセスできるランチャーを開くことができる。また、スタートメニューから各ツールを直接指定して開くことも可能だ。
新規文書作成を指定してWriterを起動した場合は、白紙の画面が表示されるごくシンプルなウィンドウが開く。Writerのメニューバーに並ぶ項目はWord 2003とよく似ており、「ファイル」「編集」「表示」「挿入」「書式」まではまったく同じだ。各メニューを開くと、用意されているコマンドの種類や並び順に違いがあるが、特に混乱するほどの違いではないだろう。Word 2003では、その後「ツール」「罫線」「ウィンドウ」「ヘルプ」とメニューが続くが、Writerでは「表」「ツール」「ウィンドウ」「ヘルプ」となる。並び順の微妙な違いはともかく、Wordの「罫線」がWriterでは「表」になっている点が、メニューバーにおける最も大きな違いとなっている。ただし、Wordの罫線機能は実態としてはWriterの表であり、機能面で特に差はない。
今度はWriterで、Wordで作成したのと同じ手順で文書を作成してみた。まず気付くのは、カーソル位置を画面上の任意の位置に置くことはできず、用紙の一番上から入力を始める必要があることだ。Word 2003の場合、用紙の中央にいきなりカーソルを置いて文字入力を始めることができる(任意の場所でダブルクリックする)が、Writerの場合は手動でそこまで改行やスペースを打っていく必要がある。
また、Wordで作成したサンプルの文書は「あいさつ文」ツールバーを使って定型句を選んで作ったが、こうした支援機能についてはWriterはやや弱い。「編集」メニューの「入力支援」を選ぶと幾つかの定型文が挿入できるが、日本でよく使われる定型句などはやはりWordの方が充実しているようだ。取引先への手紙などをよく作成する場合には、Wordの支援機能がありがたいかもしれない。
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