Writer、Documents、Googleドキュメント、無料オフィススイートのワープロ機能無料オフィススイート 現状レビュー【ワープロ編】

無料オフィススイート3製品をざっくりレビューする本連載。第1回はワードプロセッサ機能を見ていく。簡単な文書作成はもちろん、Wordで作成した文書を各製品で閲覧した。

2009年07月21日 08時00分 公開
[渡邉利和]

 本連載では各社が提供しているオフィススイートのうち、「無料で利用できる」ものの代表的な3つの製品「OpenOffice.org」「IBM Lotus Symphony」「Googleドキュメント」に絞ってその概要を見ていく。なお、各オフィススイート製品の概要は連載各回の最下部に掲載しているので、参照してほしい。

 第1回は、ワードプロセッサ機能について概要を紹介していく。日本国内ではジャストシステムの「一太郎」も根強いユーザーを持つが、商用ワードプロセッサ市場はおおむね「Microsoft Office Word」(以下、Word)が標準となっている。ユーザーにとって互換性は非常に気になる点であるため、Word(2003)で作成した文書を各製品で開いてみている。

画像 Wordで作成したサンプル文書。「事務所移転のお知らせ」という設定で、あいさつ文や個条書き、図挿入といった機能を使って作成した《クリックで拡大》

OpenOffice.org Writer(OpenOffice.org)

 「OpenOffice.org Writer」(以下、Writer)は、Microsoft Office製品のWordに相当するOpenOffice.orgのワードプロセッサソフトウェアだ。Windows環境に標準的な設定でインストールした場合はデスクトップ上にショートカットが置かれ、すべてのツールにアクセスできるランチャーを開くことができる。また、スタートメニューから各ツールを直接指定して開くことも可能だ。

画像 OpenOffice.orgのランチャー起動直後の画面《クリックで拡大》

 新規文書作成を指定してWriterを起動した場合は、白紙の画面が表示されるごくシンプルなウィンドウが開く。Writerのメニューバーに並ぶ項目はWord 2003とよく似ており、「ファイル」「編集」「表示」「挿入」「書式」まではまったく同じだ。各メニューを開くと、用意されているコマンドの種類や並び順に違いがあるが、特に混乱するほどの違いではないだろう。Word 2003では、その後「ツール」「罫線」「ウィンドウ」「ヘルプ」とメニューが続くが、Writerでは「表」「ツール」「ウィンドウ」「ヘルプ」となる。並び順の微妙な違いはともかく、Wordの「罫線」がWriterでは「表」になっている点が、メニューバーにおける最も大きな違いとなっている。ただし、Wordの罫線機能は実態としてはWriterの表であり、機能面で特に差はない。

画像 Wordで作成した簡単なサンプル文書をWriterで開いてみると、多少の見栄えの差が目に付く。余白の大きさを示すのは、Wordでは四隅のトンボだが、Writerは全体を四角く囲んでいる。そうしたアラ探し的な部分を除けば、WordとWriterのファイル互換性は実用上問題を感じないレベルに達しているようだ《クリックで拡大》

 今度はWriterで、Wordで作成したのと同じ手順で文書を作成してみた。まず気付くのは、カーソル位置を画面上の任意の位置に置くことはできず、用紙の一番上から入力を始める必要があることだ。Word 2003の場合、用紙の中央にいきなりカーソルを置いて文字入力を始めることができる(任意の場所でダブルクリックする)が、Writerの場合は手動でそこまで改行やスペースを打っていく必要がある。

画像 Writerで作成中の文書。デフォルトで改行マークが表示されず少々もどかしいが、「表示」メニューから「編集記号」を選んでチェックを付ければ表示されるようになる《クリックで拡大》

 また、Wordで作成したサンプルの文書は「あいさつ文」ツールバーを使って定型句を選んで作ったが、こうした支援機能についてはWriterはやや弱い。「編集」メニューの「入力支援」を選ぶと幾つかの定型文が挿入できるが、日本でよく使われる定型句などはやはりWordの方が充実しているようだ。取引先への手紙などをよく作成する場合には、Wordの支援機能がありがたいかもしれない。

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