仮想Mac OSは実現するか?(前編)
期待が高まるデスクトップ仮想化による「仮想Mac OS」の実現
「VMware vSphere 5」でAppleのサーバOSがサポートされることになり、「仮想Mac OS」実現の可能性に注目が集まっている。
米Appleは「デスクトップ仮想化技術を使ってMac OSを物理マシンから切り離して管理すること」を認めていない。だがITプロフェッショナルによれば、ここへ来てそうした機能の必要性は高まっており、自身もそうした選択肢を望んでいるという。
VMware vSphere 5から広がった波紋
最近、米VMwareの「VMware vSphere 5」でAppleのサーバOSをゲストOSとしてサポートすることが明らかとなり、今後Appleが仮想化サポートをデスクトップOSにまで拡大する可能性に注目が集まっている。
「これで2社の間には、これまでなかった橋が架かった。いったんこの橋でトラフィックが流れ始めれば、他の可能性の門戸も開かれるはずだ」と米Cornerstone TechnologiesでVDI(仮想デスクトップインフラ)アーキテクト兼ITエンジニアリングディレクターを務めるユージーン・アルファロ氏は指摘する。
Macを仮想化することができれば、ITプロフェッショナルにとっては実用的で非常に有用な機能となるだろう。「とりわけ、個人所有PCの持ち込みを認めているBYOC(Bring Your Own Computer)タイプの企業のITスタッフにはそうだろう。WindowsよりもMacを好む従業員が多ければなおさらだ」とアルファロ氏は言う。
「たとえMacユーザーの数が少なく、Windows搭載のシンクライアントやノートPC、デスクトップPCが多いとしても、Macを保守しなければならないことに変わりはなく、その保守は別個にやらなければならない」とさらに同氏。
VDI製品を使ってMacを仮想化できるようになれば、ITプロフェッショナルはMacとWindowsを同じ方法で管理できる。企業におけるMacの採用が広がる中、恐らく今後はそうした機能に対する需要も高まっていくはずだ。
企業に進出するMacBook
米IDCのアナリスト、イアン・ソング氏によると、最近は個人でApple製品を利用している幹部の影響で、Appleの端末、とりわけMacBookが企業に進出しつつあるという。
米Gartnerの2011年第1四半期の世界PC出荷台数調査報告によると、Appleは2011年第1四半期の米PC市場で、前年同期の7.3%よりもシェアを伸ばし、9.3%のシェアを占めている。また2010年第1四半期から2011年第1四半期のAppleの出荷台数の伸び率は約19%となっている。これに対し、PC市場で首位の米Hewlett-Packard(HP)はシェアが26%で出荷台数は3.5%の減少。市場シェアが22%の米Dellは同じ期間に出荷台数を12%落としている。
この報告ではPCの出荷台数を消費者向けと企業向けで区別していないため、Appleのデスクトップが実際に企業に進出しているかどうかの判断は難しい。だが聞くところによると、企業においてAppleのプレゼンスが増しつつあるのはITプロフェッショナルによれば確かだという。
「Macは今や“一級市民”になりつつある」とボストンに拠点を置くApple製品専門のITコンサルタント会社、米Tech Superpowersの創設者であるマイケル・オー氏は言う。
「企業におけるMacの比率が依然として小さいのは確かであり、どの大手企業のオフィスを見て歩いても、大半はWindowsマシンだろう。だがMacを会社に持ち込んでいるのは高いポジションの人たちだ。つまり、ITの購入判断を下す立場にいるCIOやCEOだ」とオー氏。
だが、現実問題としてMac OSの仮想化は可能だろうか? 後編「Appleのライセンス契約はMac OSの仮想化を禁止」では、ライセンスに関するAppleの見解、Appleのハードウェア/ソフトウェア戦略の考察、そしてもう1つの解決方法について解説する。
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