2011年06月28日 09時00分 UPDATE
特集/連載

サーバ仮想化運用管理に関する調査リポート読者に聞いた、仮想化の統合運用管理ツールの魅力と懸念

コスト削減では一定の効果が認められている仮想化技術だが、運用管理にはまだ課題が多い。今回TechTargetジャパンでは、統合運用管理ツールに関するユーザーの意識調査をすべく、コンセプトテストを実施した。

[荒井亜子,TechTargetジャパン]

 2011年1月にTechTargetジャパン会員を対象に実施した「サーバ仮想化導入」に関するアンケート調査では、企業でサーバ仮想化の導入が進むものの、運用管理における課題が多く見られた(参考:「普及期に近づくも運用管理ノウハウに課題が残るサーバ仮想化」)。コスト削減では一定の効果が認められている仮想化技術だが、運用管理にはまだ課題が多い。今回TechTargetジャパンでは2011年5月23日から6月7日にかけて、「サーバ仮想化運用管理」に関するアンケート調査を実施した。

調査概要

目的:TechTargetジャパン会員のサーバ仮想化運用管理について調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象:TechTargetジャパン会員

調査期間:2011年5月23日〜6月7日

有効回答数:223件

※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


仮想化の運用管理では、標準ツールが人気

 運用管理ツールの利用では、「VMware vCenter Server」(48.0%)、「JP1」(21.1%)、「Hyper-Vマネージャ」(17.9%)、「Citrix XenCenter」(12.2%)が上位にランクイン。2011年1月の調査(参考:「普及期に近づくも運用管理ノウハウに課題が残るサーバ仮想化」)のときと同様、統合運用管理ツールを利用している割合は少なく、標準ツールのみで運用管理している企業が多いようだ。また、運用管理ツールを何も利用していない「特になし」(16.3%)という回答も目立った。

画像 サーバ仮想導入済みの人を対象に聞いた「利用しているサーバ仮想化管理ツール」(N=123)

 しかし、運用管理に関する課題は依然として多い。仮想化導入後に判明した課題、問題、懸念点を聞いた設問では、「物理リソースと仮想マシンの統合管理」(26.0%)や「サーバの死活チェックなど、障害の特定や監視」(24.4%)が上位にきている。

統合運用管理ツールへの意識調査

 今回、統合運用管理ツールに関するユーザーの意識を調査すべく、以下のようなコンセプトテストを実施した。

コンセプトテスト

仮想化の運用管理について、次のようなことができるとします。あなたのご意見をお聞かせください。

構成・障害状況の見える化

 物理サーバと仮想マシンが混在した環境で、構成管理・障害検知・リアルタイム稼働管理ができる。

 サーバだけでなく、ストレージ、ネットワーク機器などシステム全体の稼働状態を1つの監視画面で一元管理できる。

稼働状況の見える化

 仮想マシンの稼働状況をリアルタイムで監視できる。各仮想マシンのCPU、メモリ利用率を確認し、リソースのバランスを確認できる。

稼働状況のリポート

 仮想環境が適切に稼働しているか、ゲストOS上のデータ、システム全体のデータを含めて評価・分析する。

 リソース情報を基にチューニングのヒントが提示され、作業の優先度を判断できる。評価報告書が発行される。

ベンダー非依存

 異なるベンダーの仮想化技術を一元管理できる。


 まず、上記のようなことができるツールがあることを知っているかどうかを聞いた設問では、「知っている」と回答した人が50.2%、「知らなかった」が49.8%だった。全体の半数が統合運用管理ツールの機能を知らずに、標準ツールのみで運用している、もしくは運用管理ツールを何も使っていないことが分かった。

 次に、上記ツールに関して「魅力」を感じるポイントを尋ねると、「構成・障害状況の見える化」(59.5%)、「稼働状況の見える化」(54.1%)が上位にきた。物理/仮想マシンの混在環境を把握でき、サーバやストレージ、ネットワークを一元管理できる機能へのニーズが高いことがうかがえる。自由回答でも、「物理/仮想マシン、ストレージ、ネットワークの監視をワンストップで全て網羅でき、VMware vCenter Serverでできることは不足なくできる。かつ十分なパフォーマンスとレスポンスを期待でき、それほど高価でない製品が必要」という意見が幾つか寄せられていた。

画像 上記ツールに関して「魅力」を感じるポイント(N=223)

 また、上記ツールに関して「懸念点」を聞いた設問では、「費用対効果に見合わない」(47.1%)が1位。そもそも、仮想化している物理サーバの台数が少ない企業には、多機能の統合運用管理製品はコストに見合わないのかもしれない。自由回答では、「標準ツールで事足りてしまう点がある。標準ツールの存在を覆すほどの大きなイノベーションと感じる機能を『低コスト』で搭載しない限り、導入稟議は書きにくい」という回答が寄せられた。

画像 上記ツールに関する「懸念点」(N=223)

「管理ツールを管理ツールで管理する」実態

 なお、統合運用管理ツールは便利だが、一元管理できるだけに「管理ツールの耐障害性が心配」という声も幾つかあった。管理ツール自体に障害が発生した場合、障害の切り分けが厳しくなるからだ。他には、ベンダーへの意見として「管理ツールを管理ツールで管理する本末転倒な提案が多すぎる。結果、コストが掛かる上に管理が煩雑になる」という厳しい意見もあった。

 今後、企業の成長に伴いサーバ台数が増加したり、次のステップであるデスクトップ仮想化を導入し仮想マシンの数が増えるなどすれば、ユーザーにとって統合運用管理ツールの導入がより現実的になるかもしれない。また、仮想化ベンダーには、「管理ツールを管理ツールで管理する」必要のない標準ツールを期待したい。

回答者の詳しい属性、利用している管理ツールへの評価など、詳細なアンケート結果は以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。

 本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果と共にアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。


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運用管理 | 仮想化 | サーバ


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