ネットワーククローゼットから始める電力効率化(後)
IT機器の使用電力の把握に役立つ指針とは?
IT消費電力の効率化する方法として、サーバやストレージなどのIT機器よりも即効性が高い対策を紹介しよう。
「即効性があるIT消費電力の抑制策とは?」に続き、IT消費電力の効率化を向上させる方法として、ネットワーククローゼットの電力効率化対策を紹介する。まずは、その前提条件となる電力測定方法を解説する(関連記事:仮想化で得られる節電効果、「電気料金は4分の1以下に」)。
ネットワークの電力効率化に向けた電力測定方法
現在、デバイスの動作を妨げずに使用電力を測定できるパッシブ電力測定器が販売されている。価格は200~500ドル程度だ。使用電力の把握に役立つ指針を以下に示す。
- 仕様書を読み、使用電力の大まかな目安を得る
- 仕様書の数値は、必ずしも実態を反映していない。仕様書に示される使用電力は、実際より多い場合も少ない場合もある
- ポータブル測定器を使って、クローゼット内で使用電力を実測することを検討する
- 現在の使用電力を施設や部屋、クローゼットのそれぞれについて詳しく調べる。現在の使用電力と電力コストを示す基準値を設定し、将来におけるこれらの変化や改善を測定できるようにする
- クローゼットと部屋の使用電力が別個に測定されていない場合、それぞれの使用電力を測定できる検査機器を調達する
- 使用電力に占める照明、IT機器、HVAC、およびUPSでの損失などの割合を特定する
- 使用電力を時系列で測定し、自社の電力使用パターンを把握する
- 新しいコアスイッチやエッジスイッチの購入前にそれらの電力効率を比較する
PUE(電力使用効率)を測定する
データセンターのPUE(電力使用効率)を理解することも重要だ。PUEは、米国のさまざまな専門機関が共同で作成したPUEの解説ドキュメント『Recommendations for Measuring and Reporting Overall Data Center Efficiency(データセンターの全体的な電力効率の測定、報告に関する推奨事項)』のタイトルに示されているように、データセンターインフラの全体的な電力効率を示す指標だ。PUEは1.00より大きな値を取り、値が1.00に近いほど、ITオペレーションの効率が高く、1.00より大きいほど、効率が低いことになる。PUEの算出には、データセンターとIT機器の総消費電力の値が使われるが、クローゼットの場合、総消費電力は、建物の主電源からクローゼットに供給される電力を測定することで得られる(関連記事:環境配慮型のデータセンター冷却システムを導入したドイツ証券)。
PUEは次のように算出される。
PUE = データセンターの総消費電力(IT機器およびIT機器以外、例えば、冷却、照明、サポートインフラなどの消費電力の総計)/IT機器の総消費電力
また、次のように、PUEの逆数がDCE(データセンター効率)になる。
DCE = IT機器の総消費電力/データセンターの総消費電力
DCEもデータセンターの電力効率を示す指標だが、この値は1.00より小さな値を取り、1.00に近いほど、効率が高いことになる。
年間消費電力をキロワット時(kWh)で測定することもお勧めする。企業は、完全に包括的な測定結果がそろわなくても、PUEの初期値の算出に取り組まなくてはならない。算出されたPUEは、将来のPUEと比較する基準になるからだ。
ネットワーククローゼットにおけるPoE
PoE(Power over Ethernet)は、ネットワークデバイスにデータケーブルから直接給電することを可能にする。これによって各デバイスの電力効率が向上するが、ネットワーククローゼットのコストも上昇する。
当初は、PoE給電の対象としてIP電話が有力な候補に挙がっていたが、その後、無線LANアクセスポイントの他、以下のようなデバイスも候補に加わっている。
- ネットワーククローゼットから遠い部屋に設置される小型ネットワークスイッチ(1本のアップリンクケーブルからの小規模なポートクラスタをサポート)
- ビデオ監視カメラ、Webカム
- セキュリティアクセスデバイス、バッジリーダー
- 照明、/暖房/冷暖房環境制御システム
- アラームセンサー
- ネットワークインターコム、/ページング、/PAシステム、構内スピーカアンプ
- 室内、廊下、玄関の掛け時計
- 屋根の屋外側に取り付けられた無線基地局
- 802.11または802.16ベースの無線CPE(顧客宅内機器)
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