日々生み出される膨大な量のデータを保存・管理するストレージ。データ量に比例してその消費電力は増加傾向にある。ストレージの省電力化に大きな効果を発揮する技術を紹介する。
継続的なデータセンター需要が予想され、データセンターの電力消費比率が高まることが要因となり、2006年ごろから米国で提唱され始めた「グリーンIT」。環境問題が取り上げられる際にこの言葉を耳にする機会は多いだろう。
また、2011年3月に発生した東日本大震災の影響を受け、7月から電力の使用制限令が発動されるなど省電力対策に関心が集まる中、あらためてグリーンITという言葉が注目されつつある(関連記事:データセンターのさらなる省電力対策が注目されたグリーンIT&省エネEXPO)。今回は、ストレージのグリーンITを実現する技術を紹介する。
グリーンITには「ITのグリーン化」と「ITによるグリーン化」の2つの側面がある。ITのグリーン化とは、低消費電力な部品採用や機器導入、高効率電源や機器の負荷に応じて供給電流を制御する仕組みを持つ電源装置を使用することなどで「IT機器自体の消費電力を削減する」ことを指す。またITによるグリーン化とは、例えば、テレビ会議システムを用いて遠隔拠点を結んだ会議を実施し、移動手段が使用する電力や化石燃料の消費を削減するなど「ITを利用したエネルギー消費の抑制」を指す。
近年、データセンターなどの大規模なITシステムにおける消費電力の上昇が問題になっている。IT機器の消費電力の中で最も大きな割合を占めているのはサーバだが、その次に電力を消費しているのはストレージだといわれている。
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