アンチ仮想化は劣勢に、サーバ統合だけではない仮想化のメリット米TechTarget調査から見える仮想化の最新動向【後編】

仮想化の最大の目的はサーバ統合だろう。だが、仮想化の目的はそれだけではない。システム管理の改善やディザスタリカバリなどでも効果を発揮する。一方で、仮想化の必要がない企業も存在する。

2012年08月31日 08時00分 公開
[Stephen J. Bigelow,TechTarget]

 前編「VMwareはなぜ選ばれるのか? 仮想化上位3製品の動向をひも解く」では、今日のハイパーバイザー市場における主要プレーヤーを確認するとともに、それらが選ばれる理由、そして自社のインフラに最適な製品を選択をするための基準を示した。後編では、仮想化がもたらす効果と、仮想化が必要ない理由について取り上げる。

仮想化の目的

 仮想化を行う最大の目的は統合だ。すなわち、より少ないリソースでより多くのものを提供することだ。最も分かりやすい例がサーバの統合だろう。これは、同じ物理ホストサーバ上に複数のワークロードを実行できるようにするというもの。サーバ統合は、サーバの処理リソースの利用率を大幅に高めると同時に、物理サーバの台数を減らすため、初期投資の抑制ならびに電力コストと冷却コストの削減につながる。米TechTargetの調査の結果、ITプロフェッショナルの59%がサーバ統合の目的で仮想化を利用していることが明らかになった。

 ストレージの統合も仮想化の重要なメリットの1つだ。これは異なるアレイに含まれるストレージを特定し、未使用のストレージを1つのプールに集約するというもので、物理ストレージが置かれた場所にかかわらず、このプールをプロビジョニングすることができる。一方、ネットワークの統合は物理LANを複数のネットワークに分割することを可能にする。また、複数の物理ネットワークを1つの論理LANに集約することも可能だ。いずれのケースでも、セキュリティとトラフィック制御にメリットをもたらす。

 ユーザーの端末上(エンドポイント)でも、アプリケーションの仮想化VDI(仮想デスクトップインフラ)製品は、デスクトップ用のリソースをサーバに置くことによってアプリケーションの配信形態を大きく変えた(関連記事:デスクトップ仮想化の仕組みとメリット)。これによりネットワーク管理者は、デスクトップの管理とセキュリティを強化することができる。TechTargetの調査では、回答したIT管理者の20%近くが「エンドポイントの仮想化を導入する(あるいは拡大する)」と答えた。

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