【連載コラム】医療ITの現場から
“導入効果の実感”の差が生みだす、電子カルテとレセコンの普及率の違い
診療所におけるIT化の代表格である「電子カルテ」と「レセコン」。現在、両者の普及率には大きな開きがある。費用対効果の観点から、その理由を考えてみる。
電子カルテ導入をためらわせる原因
2013年現在、診療所の電子カルテの普及率は2割を超えたところ。製品誕生から15年が経過していますが、診療所での電子カルテ導入は進んでいるとはいえない状況です。
電子カルテがそれほど普及しない要因には「電子カルテの操作性の問題」「PC操作レベルの問題」「患者が多く入力時間が取れない問題」などが考えられます。中でも、「電子カルテの費用対効果が見いだせない」点が最も大きな要因だと思います。
現在、医療機器を導入すると診療報酬の加算点数が付きます。しかし、電子カルテの場合、導入しても点数加算の恩恵はありません。そのため、「電子カルテには点数が付かないから導入しない」という意見を、電子カルテ導入をためらう医師から聞きます。電子カルテはあくまで「設備投資」と捉えられている現状があるため、導入を見合わせるのは当然でしょう。
レセコンの費用対効果は?
もう1つ、診療所におけるIT化の代表格である「レセプトコンピュータ」(以下、レセコン)。レセコンは、レセプトを手書きで作成する事務スタッフの負担を、IT化によって大幅に軽減しました。手作業よりも速く正確にレセプトを作成できるため、多くの医療機関がレセコンを導入しました。現時点でのレセコンの普及率は、実に9割を超えるほどです。その背景には、診療報酬の改定や政府がレセプト電算化を推進してきたこともあります(関連記事:前年比2倍以上の普及率、レセプト請求オンライン化の現状)。
実際にレセコンを導入したことで、「スタッフ業務が効率化できた」と多くの方が感じたのでしょう。レセコンの導入効果は明快であったため、その普及が進んだといえるでしょう。
決め手に欠ける「電子カルテ導入」
では、電子カルテはどうでしょうか。「紙カルテをなくし、ペーパーレスを実現する」といっても、完全に紙がなくなることはありません。また、「レセプト入力操作をなくす」といっても、「入力作業が事務側から医師側に移っただけだ」と捉えられてしまうこともあります。このように「電子カルテをぜひ買いたい」という決め手に欠けると感じる医師が多いようです(関連記事インデックス:「診療所向け電子カルテ」導入完全ガイド)。
それでは、電子カルテ導入による費用対効果を見いだすためにはどうすればよいでしょうか。次回は、その方法を紹介します。
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