単純な方法でも大きな価値
「モノポリー」のソーシャルメディアキャンペーンが成功した秘密
定番のボードゲーム「モノポリー」がソーシャルメディア上で実施したキャンペーンが成功した。ソーシャルメディアをビジネスに生かすために、このキャンペーンから学べることとは?
エンタープライズソーシャルネットワークのゲームにまだ参加していないのなら、参戦すべき時がきた。それは趣向を凝らしたFacebookページを用意し、Twitterのハンドル名を考え出して万事終了ということではない。単にブランドを広告する以上のエネルギーを積極的に投じていくということだ。エンタープライズソーシャルネットワークには世界中の数百万の人々を動かす力があることが分かれば、その気になるだろうか。
米Hasbroは、まさにこの力を証明して見せた。同社は1903年に誕生した歴史あるボードゲーム「モノポリー」をリニューアルしようと、ネット上でユーザーに、8種類あるゲームの駒のうち、落選し刑務所行きになる駒と、それに代わる新しい駒を選んでもらう「Save Your Token」(駒を救おう)キャンペーンを企画した。具体的な方法としては、モノポリーのファン(Facebook上では1000万人)に専用のFacebookアプリから投票してもらった。ファンはこのアプリを使って投票結果を見ることも、Facebookでお気に入りの駒を宣伝することもでき、Twitterのハッシュタグも用意されていた。
このクラウドソーシング型キャンペーンに参加したのは個人だけではない。参加者の中には企業も含まれ、各社のブランドと共通点のあるゲームの駒を応援している。靴を中心に扱う米オンライン通販サイトZappos.comは「靴」の落選阻止に励み、キャットフードブランドの米9Livesは「ネコ」の味方に付いた。結局、この9Livesのサポートが「アイロン」を刑務所に送り込むことになった(編注:当選したのはネコ)。
「モノポリー」キャンペーン成功の意味は
要するに、このHasbroのキャンペーンは好評を博したということだが、それが示唆するところは大きい。率直なところ、今どきボードゲームに熱中する人などいないからだ。実際1990年代にも「大砲」と「馬」の2つの駒が姿を消しているが、そのときは全く話題にならなかった。
この盛り上がりがいつまで続くかは分からないが、少なくとも当面は、この伝統的な家族向けゲーム「モノポリー」は人々の頭の片隅にある。画家のアンディ・ウォーホルの言う「名声が続くのは15分間だけ」が至言と見なされるこの時代においては、一瞬一瞬の重みは大きい。
Hasbroのキャンペーンは、ごく単純なソーシャルネットワークの利用方法(この場合は「いいね!」をクリックするか、ツィートを送るという)でさえも、ビジネスに大きな効果がある例である。ただし、対消費者のソーシャルの主眼は、ITよりもマーケティングであると考えるのは早計だ。独SAPのグローバルCIO、オリバー・バスマン氏は自身のブログで、ビジネスとITの両方の視点から、モノポリーのキャンペーンでソーシャルメディアが成功したポイントを挙げている。また、消費者のトレンドから、今後のエンタープライズの需要をどのように読み解くべきかにも触れている。
ソーシャルメディアによるクラウドソーシングの面白い例は、まだまだある。本稿では、オバマ大統領の非常にインタラクティブな一般教書演説も挙げておきたい。オバマ大統領は、米投稿サイトのRedditで一般から質問に回答するスレッドを立てたり、2013年2月14日(米国時間)にGoogle+のビデオチャット、Fireside Hangoutにも登場しているので、この動きは特に驚くことではない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
ソフトウェア開発生産性向上に取り組む企業は4割 調査で学ぶ「停滞」の正体
-
3
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
4
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
5
無料の「Apple Business」で十分? 情シスが陥りがちなポイント
-
6
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
7
「配信に1カ月」の代償 カルビーがLINE運用で外部依存を断ち切った理由
-
8
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
9
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
10
脱クラウドの受け皿か NVIDIA×国内連合にみる「AIコスト削減」の現実味
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー