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iPhoneの指紋認証は使いづらくない? 生体認証の次の進化を占う
スマートフォンやタブレットに搭載されることが増えている「生体認証」。最新技術では、個人の顔や超えも認識できるようになってきている。生体認証が持つ弱点と併せて、最新動向を紹介する。
人の考えを読み取ることができるコンピュータが実現したとすれば、それは畏敬の念を抱かせるような技術的機会なのか、それとも最悪の悪夢なのだろうか。モバイルデバイス向けの「バイオメトリクス認証(生体認証)」に対する関心が高まる中、市場はまさにそうした方向に向かっている。生体認証は、デバイスがユーザーの身体的・生理的特徴を利用して個人を認証する技術のことだ。
生体認証の仕組みはこうだ。まずセンサーやカメラを使って、ユーザーの指紋や顔、瞳の虹彩、耳の形などをスキャンする。スキャンした画像データ、または暗号化した画像データのいずれかを、データベースもしくはデバイスのローカルに保存する。生体認証で保護されているデバイスやアプリケーションを使おうとした時点で、そのユーザーの身体的・生理的特徴を再びスキャンする。そして、基盤のソフトウェアがそのデータを分析して、保存されている画像データと比較する。ソフトウェアは認証したユーザーに対し、適切なレベルのアクセスを許可する。
Appleが「iPhone」や「iPad」に搭載している指紋認証機能「Touch ID」の人気もあり、生体認証はモバイルデバイスへのアクセスを管理する方法として広がりつつある。いずれは、脳波を利用した生体認証技術も登場するかもしれない。研究者らは既に2013年から、「脳波検査」(EEG)を使って脳信号を記録する方法の研究を進めている。EEGは、てんかんや腫瘍などの診断に長らく使われている検査手法だ。
スマートフォンやタブレット、ノートPCは本来、デスクトップPCよりも携帯性に優れており、その分、紛失や盗難にも遭いやすい。つまり、業務データの損失も発生しやすいということだ。生体認証を導入すれば、従業員の私物や会社支給のモバイルデバイスを管理するIT部門はセキュリティを大幅に向上できる。パスワードや数字を使った「PINコード」(Personal Identification Number)は推測が容易だが、指紋は個人特有のものなので、ハッカーや不正利用者が入手したり複製したりできる可能性は極めて低い。
生体認証は本当に安全?
それでも、生体認証データは100%安全なわけではない。2015年には、米連邦政府職員の560万件分の指紋データが盗まれる事件が起きている。生体認証技術は多くの場合、画像をネットワーク経由で転送し、データベースに保存する。だが、ネットワークとデータベースはどちらも攻撃対象となる可能性がある。暗号化を使えば、こうした認証プロセスのセキュリティをさらに強化することが可能だ。またIT管理者は常にデータベースサーバに最新のパッチを適用しておく必要がある。さらにストレージに「Active Directory」や「LDAP」(Lightweight Directory Access Protocol)といった既存のディレクトリサービスを統合すれば、生体認証データをより容易に管理できる。
生体認証の弱点は他にもある。例えば、スキャナーハードウェアは汚れたり、傷が付いたりして、うまく作動しない可能性がある。認識ソフトウェアはまだ成熟していないので、画像をうまく認識できず、正規ユーザーのアクセスをブロックしたりする可能性がある。
生体認証の解析ソフトウェアやスキャナーハードウェア、業界別の認証パッケージなどを提供するベンダーには、下記の企業がいる。
- M2SYS Technology
- BIO-key International
- Animetrics
- Visidon
- ImageWare Systems
- Samsung Electronics
- 富士通
調査会社Juniper Researchによれば、スマートフォンを中心に当面は指紋認証がモバイル生体認証の主流になる見通しだという。また、市場は着実にその方向に向かって成熟しつつある。Touch IDもまだ数年前に登場したばかりの技術であり、今後確実に進化を遂げるはずだ。GoogleのモバイルOS「Android」向けにも幾つかアプリケーションレベルの生体認証技術が提供されている。DoMobileの「AppLock」といった生体認証アプリケーションをダウンロードすれば、Androidユーザーも顔認識や音声認識機能を利用できる。
調査会社Acuity Market Intelligenceによる2015年6月の報告書によると、モバイル生体認証の年間売上高は2014年の16億ドルから2020年には346億ドルに増加する見通しだという。この先、モバイル生体認証ベンダーが機能面の不備を解消できれば、2020年に向けて、従業員のモバイルデバイスをロックする手段として生体認証を検討するIT部門は確実に増えていくはずだ。
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