サプライチェーン管理にブロックチェーンを全面採用
「ブロックチェーン」に約3兆円をつぎ込む中国企業、何を目指しているのか?(1/2 ページ)
仮想通貨の根幹技術「ブロックチェーン」を他分野で活用する動きが広がっている。中国企業Wanxiang Groupもその1社だ。ブロックチェーン関連で2023年までに300億ドルの投資を決めた同社の取り組みに迫る。
「ブロックチェーン」の原理はシンプルであり、多くの用途において非常に高い柔軟性を発揮する。ブロックチェーンを利用すれば、誰でも追跡できる透明性と、途切れることがない永続性があるレコードが実現できる。精査によって正確さが保証されたデータの保管場所を、誰でも手に入れることができるのだ。
中国の大手自動車部品メーカーである多国籍企業のWanxiang Groupは、ブロックチェーンの原理に絶大なる信頼を寄せており、この技術を2つの異なる重要な事業で採用している。一方は、自動車部品メーカーとしての中核事業。もう一方は、現在の社会が直面している最大のテクノロジー革命の1つである、スマートシティー構想への関与だ。
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ブロックチェーンを採用する理由
Wanxiangは前述の通り、ブロックチェーンに並々ならぬ信頼を置いている。ブロックチェーンを活性化するために、同分野のスタートアップ企業に対する投資を決めたほどだ。
ブロックチェーンは適切な採用や拡張が進めば、暗号化データとオンラインセキュリティの次の段階を象徴するテクノロジーになる。Wanxiangは、現在のビジネスや将来の計画の成功のために、70億ドル(約7000億円)もの資金、さらには本社がある都市までをブロックチェーンに賭けている。
Wanxiangは中核事業として、自動車産業向けに各種部品を製造している。特に注力しているのはバッテリーだ。同社の本社は中国の杭州にあり、米国、南米、ヨーロッパ、オーストラリアにオフィスや工場を保有している。つまり世界中のベンダーや顧客と連携しているのだ。
一部の工場では数え切れないほどの積荷が行き来している。物流の過程では、何百万件ものレコードを日々伝送している。データの種類も注文や購入、はたまた重要なメールなど多岐にわたる。
ブロックチェーンは永続的で透明性のあるレコードのトランザクションを実現する。Wanxiangはその特性を生かし、バッテリーに関するサプライチェーン管理の全プロセスにブロックチェーンを採用した。ブロックチェーンを通じて、全てのプロセスの追跡を合理化して正確なものにした。その結果、全プロセスに掛かる時間と費用を削減できたという。
自動車産業以外に、Wanxiangはスマートシティーモデルにも関心を持っている。この事実は、本社のある杭州で、未来的な都市運営の仕組みを実現するための大きな1歩となっている。
そもそもスマートシティーという概念は、あらゆるモノがインターネットにつながって新たな価値を生み出す「モノのインターネット」(IoT)の原理を都市開発に組み込むことに着眼したものだ。行政、学校、交通機関、病院、公益事業といった都市の要素が、リアルタイムの指標とフィードバックを通じて最適化される。こうした状況が実現すれば、都市の効率が最大限に高まる可能性があるという点で、大きな変貌を遂げることになる。
スマートシティーのネットワークでは、所有権に関わる情報や個人情報などの機密情報が大量にやりとりされることになる。このような情報を改ざんから保護する安全な方法が欠かせない。このビジョン実現の基礎を支える手段になるのがブロックチェーンだとWanxiangは考えている。
この構想は現実のものになりつつある。Wanxiangは2023年までに、ブロックチェーンプロジェクトに300億ドル(約3兆円)を投資することを決めている。
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