2017年10月27日 05時00分 公開
特集/連載

「IT Trend 2017」レポートマルチクラウドにはご用心、ビジネス変革のためのクラウド活用とは (1/2)

企業のデジタライゼーション推進では、IaaSだけでなくPaaS活用が鍵を握る。また、適材適所で異なるクラウドサービスを利用する「マルチクラウド」利用には注意点も存在する。

[吉村哲樹,著]

関連キーワード

PaaS | IaaS


 アイ・ティ・アール(以下、ITR)は2017年10月5日、京王プラザホテル(東京・新宿)にて年次イベント「IT Trend 2017」を開催した。毎年1回、ITRのアナリストによるIT業界動向の報告や、ITベンダー各社による最新の製品/サービスの紹介が行われる本イベント。2017年は「デジタライゼーションが誘発するビジネス革新」をテーマに、最新ITを武器にビジネスへ変革をもたらす上で必要となる技術や戦略などについて、さまざまな提言がなされた。本稿ではその中から、ITRプリンシパル・アナリストの甲元宏明氏によるセッション「デジタライゼーションにおけるクラウドの価値」の内容を紹介する。

 ITRの甲元宏明氏 ITRの甲元宏明氏

 「ITRでは5年以上前から、クラウドは既存のサーバやアプリケーションの単なる代替手段ではなく、ビジネスのプラットフォームとして捉えるべきだと提言してきた」と述べる甲元氏。実際、企業が消費者の嗜好(しこう)や市場トレンドの変化に迅速に追随し、さまざまなデバイスを活用し、グローバルにサービスを展開していく上で、クラウドはなくてはならないビジネスインフラとなった。

 甲元氏は「もはやクラウドの是非を議論する段階は終わった」と断言する。その上で、クラウドのメリットを最大限に引き出すには、企業は従来のオンプレミスでのシステム構築の考え方を、思い切っていったん捨て去る必要があるという。

 従来のITアーキテクチャは、システムの性能や可用性をハードウェアに大きく依存してきた。しかしクラウドではユーザーはハードウェアを選ぶことができず、全てをソフトウェアでコントロールすることになる。中には、従来のアーキテクチャとの継続性を重視するあまり、それまで使ってきたハードウェアのアーキテクチャをそのまま再現できるクラウドサービスを選ぶ企業もあるが、これは「クラウド本来のメリットを大きく阻害することになりかねない」(同氏)。

 オンプレミスに構築してきた仮想環境を、そのままIaaS(Infrastructure as a Service)に載せられる(あるいは載せられるIaaSを選択すべき)と思い込んでいる企業も多いが、これも甲元氏によれば「この点に固執し過ぎると、やはりIaaS本来のメリットはうまく引き出せない」という。

IaaSだけでなくPaaSの活用がデジタライゼーション推進の鍵を握る

       1|2 次のページへ

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news103.jpg

「アドエビスリサーチ」、450万人の消費者データを活用してWeb広告やWebサイト接触者限定の調査が可能に
ロックオンは、クロスマーケティンググループのディーアンドエムと協業を発表。「アドエ...

news098.jpg

モバイルアプリ広告のYouAppi、人工知能で細かなセグメンテーションを実現するリエンゲージメント広告を提供
モバイルアドテクノロジーのYouAppiは、モバイルアプリ広告配信プラットフォーム「360° ...

news058.jpg

訪日外国人観光客は結局、何を求めて日本にやって来るのか
「見にきてもらう」から「参加してもらう」へ。訪日外国人と浅草の関係は少しずつ変わり...