2018年05月15日 08時00分 公開
特集/連載

Webブラウザをコンピュータに(前編)WindowsマシンをChromebookにする「CloudReady」の挑戦

Windowsデスクトップの切り崩しに名乗りを挙げたChrome OS陣営。その中でNeverwareはChromebookベンダーとは異なるアプローチを取る。Chromium OSベースの「CloudReady」は企業に受け入れられるのか。

[Cliff Saran,Computer Weekly]

 2018年は、デスクトップITに対する考え方が変わる1年になる。業界にはそんな予感が漂っている。

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 1990年代初頭、ユーザーインタフェースはテキストベースで、ほとんどのPCで「MS-DOS」が動作していた。主要なワープロソフトといえば「WordPerfect」だった。

 転機はMicrosoftが「Windows 3.1」をリリースしたことによって訪れた。グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)がかつてないほど使いやすくなったこのバージョンにより、「Windowsアプリケーションの開発」への劇的なシフトが業界に起こった。

 この流れは次第に、Microsoftの旧来のライバルだったNovellとWordPerfectを消滅へと導くことになる(訳注)。

訳注:WordPerfectはWordPerfect社からNovell、Corelへと売却され、2012年にCorelが「WordPerfect Office X6」をリリースした。Novellは紆余(うよ)曲折の後、Micro Focusに買収された。

 2000年代初頭、「Windows Me」「Windows 2000」から「Windows XP」「Windows 7」そして最新の「Windows 10」へと進化するにつれ、Windowsは一般的なエンドユーザービジネスアプリケーションを支える基本的なデスクトップソフトウェアという地位を築き上げた。

 だが、魅力的なビジネスアプリケーションがSoftware as a Service(SaaS)として配信され、さらにブラウザアプリケーションも成長している今、「Windows GUIからより軽量なインターネットブラウザインタフェースに乗り換える」という選択肢がIT業界に提示されるようになっている。

 ここで登場するのが、Googleの「Linux」ベースのOS「Chrome OS」だ。「Chromebook」でブラウザの「Chrome」を実行するよう設計されているこのOSは、ビジネス界である程度の勢力を示し始めている。企業利用できるレベルのChromebookがWindowsノートPCと同等の価格で売り出されるようになり、「Chrome OSはWindowsの廉価版」という認識が変わろうとしている。またソフトウェア面では、Chrome OSを古いPCで実行できるようにする取り組みも行われている。

 「CloudReady」(訳注)の開発元であるNeverwareも、この取り組みを行っている企業の1つだ。Neverwareの中核事業は「企業が古いPCを再び動かせるようにするためのサポート」で、同社の計画はChrome OSの進化に沿っているように見える。Chrome OSは今や、ある意味Windowsのおかげで教育分野のニッチな存在から脱却し始めている。

訳注:Chrome OSのオープンソース版である「Chromium OS」ベースのOS。

 広く普及しているWindows 7は2020年1月にサポートライフサイクルの終了を迎える。つまり企業には移行まで2年の猶予もない。

 Computer Weeklyが以前レポートしたように(訳注)、業界専門家はWindows 7のサポート終了を「デスクトップコンピューティングを再評価するチャンス」と捉えている。IT管理の観点からいうと、Windows 10は単なるWindowsのバージョンの1つと考えるべきではない。なぜならOSのパッチ適用、更新プログラム適用、セキュリティ保護が社内のIT管理者ではなくMicrosoftによって直接管理されるためだ。

訳注:Computer Weekly日本語版 3月20日号「Windows 10はIT部門が責任を放棄するチャンス」参照。

 これを「エバーグリーンコンピューティング」と表現するComputacenterは、MicrosoftがWindowsを管理するようになりデスクトップITサポートの役割が変わることを確信している。

新たなデスクトップ戦略

 デスクトップITの運用方法を再評価する機会が訪れたことになる。業界が新たなデスクトップ戦略に関心を持ち始めているのもここに理由がある。

 主にブラウザベースのアプリケーションやSaaSのアプリケーションをWindowsマシンで実行するユーザーが一定数いるとしたら、WindowsはいまだデスクトップITにとって最適な選択肢といえるだろうか。

 Tech DataでGoogle担当のビジネスマネジャーを務めるポール・ニコラス氏は、Computer Weeklyの姉妹紙「MicroScope」のインタビューに次のように答えた。「企業のIT部門にとって大きな課題の1つは、予算が減っているのに運用効率向上への期待が高まっていることだ。旧式アプリケーションのコストが、ITマネジャーの予算の大半を占めることがある。だが、エンタープライズ管理ライセンスでChrome OS端末を導入すれば、ITコストを3年間で75%程度削減できる」

 だが、Chrome OSの実行と試験導入のためにChromebookを購入する必要はない。

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