シスコはユニファイドコミュニケーション(UC)のシステム群をバージョンアップ。IBMやMS、サイボウズのグループウェアなどとの連携が実現した。
シスコシステムズは9月25日、同社のユニファイドコミュニケーション(UC)システムの新製品「Cisco Unified Communications Release 7.0」(以下、Cisco UC 7.0)を発表した。新バージョンでは、他社コミュニケーション製品との連携や対応アプリケーション開発環境の整備などを図った。10月1日より販売を開始する。
Cisco UC 7.0では、他社製のコミュニケーションシステムとの相互運用性を大幅に向上させた。具体的には、プレゼンス管理を行うコミュニケーターソフトの「Microsoft Office Communicator」や「Lotus Sametime」との間で、メッセージ交換やIP電話の相互連携が可能になっている。2009年には音声・ビデオ会議システム(Unified MeetingPlace 7.0)とSaaS(Software as a Service)型Web会議システム「WebEx」との統合を図り、社内外で他社製ソフトを組み合わせたオンライン会議が実現するという。
さらに今回、国内独自の協業成果として「サイボウズ ガルーン」との連携も発表された。その第一段階では、グループ傘下のSI企業インテグラート・ビジネスシステムがシスコの技術協力を得てシステム構築サービスを提供し、ガルーンユーザーはシスコのIP電話を利用したUCが可能になる。
また、モバイル機器用のUCシステム「Cisco Unified Mobile Communicator」ではWindows Mobile搭載スマートフォンやBlackBerryなどをサポートし、例えば無線LAN/3Gデュアル端末を内線電話として使用するといったことができる。
そのほか開発サポート面では、アプリケーション統合開発・実行環境「Cisco Unified Application Environment(CUAE)」を用意した。Cisco UCと連携するカスタムアプリケーション開発を容易にするプラットフォーム機能を提供するもので、各種通信を制御する部分をCUAEが担うため、開発者はテレフォニーの専門知識がなくても開発できるようになる。従来はAPIのみの提供だった。
シスコは同日、コンタクトセンター向けテレプレゼンスシステム「TelePresence Expert On Demand」やWebExの拡張サービス「Cisco WebEx Connect」も併せて発表した。前者はテレビ会議方式の顧客対応システムで、インターネット越しに対面式の応対サービスを提供することができる。同日より販売開始する。後者は、ミーティング機能に特化したWebExにインスタントメッセンジャーや文書共有、ディスカッション、カレンダーなどのアプリケーションを追加するもので、APIを使ってサードパーティー製ウィジェットとのマッシュアップも可能になる。デスクトップおよびモバイル用のクライアントソフトが用意されるが、国内での提供時期・形態については未定。
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