ユニファイドコミュニケーションのセキュリティの勘所重要なのは「VoIP」

ユニファイドコミュニケーション導入に際して注意すべきセキュリティ上の脅威と、その対策に役立つ製品を具体的に紹介する。

2008年10月06日 07時30分 公開
[Joel Dubin,TechTarget]

 ユニファイドコミュニケーション(UC)は、中堅企業を含むあらゆる規模の企業に恩恵をもたらす可能性がある。中継回線やPBX(構内交換機)、電話機器などの追加なしにデータ、音声、ビデオをすべて1つのネットワークに統合するため、スタッフと予算に余裕がない中堅企業は時間と経費を節約できるからだ。

 UCのメリットは、社内のすべての電子的トラフィックを同一のネットワークに統合し、それを同じスタッフで維持管理できるので、通信技術を専門とするスタッフを新たに配備する必要がないということだ。その一方で欠点もある。それは、社内のすべての電子的トラフィックが統合されるネットワークは、従来の社内ネットワークが抱えているのと同じセキュリティ上の弱点を抱えているということだ。

 定義上、UCは、電話、音声、ビデオ、IM(インスタントメッセージング)などのトラフィックをすべてTCP/IP上で運用することを意味する。このため、あなたの会社のネットワークに探りを入れるハッカーたちが今度は、あらゆる業務に侵入するための穴を掘り進めることができるようになる。

 しかしだからといって、UCを導入すべきではないということにはならない。それどころか、UCは、あなたの会社がこれまで依存してきた伝統的な電話網よりもセキュアなものにすることができるのだ。

 UCをセキュアにするには、従来のネットワークセキュリティのベストプラクティス、セキュアなネットワークアーキテクチャデザイン、各種のネットワーク/ハードウェアツールなどを利用する。ルータやネットワークスイッチなど、企業が既に保有しているハードウェアの中には、VoIP(Voice over IP)などのUCプロトコル用に修正、最適化しなければならないものもあるかもしれない。

最も重要なのはVoIP

 UCの中心となるのがVoIPだ。VoIPは既存のTCP/IPネットワーク上で電話システムを稼働させることにより、従来の電話回線とネットワークをリプレースする。UCの設計、あるいはそのためのネットワークハードウェアの選定に際しては、何よりもVoIPを最優先で考えなければならない。恐らく、ネットワーク上を流れるVoIPトラフィックは、データトラフィックの次に大きな部分を占めるだろう。

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