シングルサインオンを導入したある病院では、日常業務を効率化できただけでなく、セキュリティを守る上で欠かせない手段となった。
Good Samaritan病院は比較的小さな病院だが、高度な医療技術を駆使している。インディアナ州ビンセンズにある247床の地域病院で、10年近く前から患者に飲ませる薬をバーコード化してきた。しかしIT設備投資は、CTスキャナやラボ分析装置など実益をもたらす機器との取り合いになる。従って、CIOのチャック・クリスチャン氏が数年前にシングルサインオン(SSO)ソリューションの導入を考えた際、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)で規制される医療機関にとってSSOは賢明なセキュリティだという論理は説得力はあったが、十分ではなかった。
不況であってもなくても、クリスチャン氏には無駄にできるIT予算はない。インディアナ州中西部とイリノイ州南東部の5郡をカバーするGood Samaritan病院のCIOとして、同氏は年間予算300万ドル、27人の陣容がフル稼働するIT部門を運営している。クリスチャン氏は必要に応じてソフトウェアを開発し、IT機器の調達に深くかかわっている。
SSOについては「予算内に収まり、運用とメンテナンスの手間が掛からないものを見つける必要があった」(クリスチャン氏)。市販される大手のSSO製品はアドオンが多数付いていて、製品を買えばアドオンもすべて買うのが前提となっている。同氏が必要としていたのはMicrosoftのActive Directoryに統合して、ユーザーが一度ワークステーションにログオンすると、必要なアプリケーションすべてにアクセスが可能になる製品だった。
「1つで何もかも付いてくるものは欲しくなかった。本体だけが欲しかった」と同氏は言う。
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