要件変更の影響追跡が強みのALM「MKS Integrity」第5回 MKS Integrity

アプリケーション要件が変更された場合、開発者はその影響範囲を追跡する必要がある。しかし、設計書やソースコード、テストケースなどチェックすべき項目が多いのが悩みの種だ。

2010年02月05日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

単一アーキテクチャのALMソリューション「MKS Integrity」

 ALM(Application Lifecycle Management)ソリューションが市場に提供されてきた過程は多岐にわたる。例えば構成管理ツールなど、特定の工程を管理するツールを中核にほかのツールとの連携を強化したソリューションがある。また、企業統合によって製品のラインアップを拡充させ、各ツールのデータ連携やユーザーインタフェースを統一させる共通基盤を独自開発して提供するベンダーも存在する。

photo MKS Integrityの中澤氏

 そんな中、MKS Integrity(※)のマーケティングマネージャー 中澤好明氏は、同社のALMソリューション「MKS Integrity」について、「単一アーキテクチャ上で、アプリケーションの要件管理からリリース管理までのすべてのライフサイクル管理をサポートする、市場では唯一の製品だ」と語る。その利点は一体何だろうか? 今回は、MKS IntegrityのALMソリューションを紹介する。

※ 以下、企業名を指す場合はMKSと表記。

 中澤氏によると、MKSが定義するALMとは「要件定義からリリース、リリース後の運用までを含めた開発ライフサイクル全般を包括的に管理して、アプリケーションの品質や開発生産性を上げ、ビジネスに付加価値をもたらすこと」だという。その実現のために同社が提供するMKS Integrityは、以下の6つの機能セットで構成される。

MKS Integrityの機能セット
機能セット名 機能概要
MKS Integrity MKS Integrity Repositoryで一元管理された情報に基づき、経営層や管理者に対するリポート、ダッシュボードをリアルタイムに出力する
MKS Integrity Requirements 要件のベースライン化とバージョン管理、変更履歴の管理機能を持つ。要件の変更に対して、設計、ソースコード、テスト、リリースまでの影響範囲を追跡することができる
MKS Integrity Source オープン系システムやIBM System i(IBM i/AS400)などのプラットフォーム、Microsoft .NET Frameworkなどの開発環境、EclipseなどのIDE(統合開発環境)とも連携する、ソースコードの変更・構成管理ツール
MKS Integrity Test テスト項目やテスト結果、その承認状況を事前定義されたプロセスに従って管理する
MKS Integrity Deploy 配布・配置対象、リクエスト、ロールバック、ステージングに関するステータスをリアルタイムで把握できる
MKS Integrity Repository プロセス、ワークフローの定義や作業進ちょく/承認の状況、作業時間、各種数値指標(メトリクス)、ソースコードやドキュメントといった成果物と、それらすべてのバージョン、変更・承認履歴などの情報を一元的に保管・蓄積する

 2010年1月現在、MKS Integrityの最新バージョンは2009年にリリースされた「MKS Integrity 2009 日本語版」だ。最新版では特にテスト管理機能が強化された。

photo MKS Integrity画面《クリックで拡大》

単一アーキテクチャの利点とは?

 中澤氏は「MKS Integrityの特徴は、単一アーキテクチャによる抜群の追跡性にある」とし、「例えば、要件変更が発生した場合、その影響範囲の確定や設計書の修正、ソースコードの変更個所、実施すべきテストケースなどを追跡できる」と説明する。

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