中堅・中小企業向けグループウェアSaaS探究:ネオジャパン
ユーザー251万の国産グループウェアをそのままSaaS化「desknet’sクラウド」
ネオジャパンのカフェテリア方式クラウドアプリケーション「Applitus(アプリタス)」。その中核にあるのは、同社の看板グループウェアをそっくりSaaS化した「desknet’sクラウド」だ。
パッケージと同等機能を提供
システムインテグレーションや受託開発で実績を積んできたネオジャパンが、Web型グループウェア「iOffice2000」のパッケージを開発・販売したのが1999年。その後、Linux版や日本初の携帯電話対応版などが好評となり、2002年にiOffice2000の後継となる「desknet’s(デスクネッツ)」が新たに開発されたことで、日本におけるメジャーグループウェア市場の一角にdesknet’sのブランドイメージが確立した。
パートナービジネスを主としてきた同社は、2000年当時から販売パートナー企業を経由したiOffice2000のASP提供(あるいはiOffice2000の機能を取り込んだパートナー独自のサービス)を行ってはいたが、今回紹介する「desknet’sクラウド Applitus(アプリタス)」(以下、desknet’sクラウド)はそうしたサービスとは素性が異なる。パートナーが手を加え、各社によって機能に差があるASPとは異なり、desknet’sクラウドはネオジャパン純正パッケージ版と同じ機能を、最新のバージョンでオンデマンドに利用できることが特徴だ。
21のアプリケーションを自由に選択
2006年9月から提供を開始したApplitusは、ネオジャパンが開発したアプリケーション群をSaaS(Software as a Service)型式でエンドユーザー企業に提供するクラウドサービスのブランド名である。メーカー直でのSaaS提供という点がポイントとなる。
パッケージ型desknet’sのSaaS版であるdesknet’sクラウドを中心に、Webベースの営業マネジメントシステム「desknet’s SSS(サザン)」や、顧客対応サポートシステム「desknet’s CAMS」、大容量データ・ファイル転送システム「desknet’s DAX EXTRA」などのdesknet’sシリーズの他、中小企業向けホスティングサーバ「ApplitusServer Value」、Webベースワークフロー「X-point」といった社外システムもコラボレーションアプリケーションとして取り入れ、全21製品をラインアップ。各アプリケーションは、必要に応じて自由に取捨選択して利用できる。
「各アプリケーションは共通のプラットフォーム上から密に連携した形で利用でき、ユーザーの要望に応じたレベルでのカスタマイズにも対応している」と語るのは、ネオジャパンの執行役員でODAS営業部長を務める篠崎健一氏。「Applitusのスタンダード版となる『ベーシックプラットフォームサービス』の場合、30~200ユーザーまでの利用を想定し、平均的な利用ユーザー数は70前後。中小企業以外に、大企業の部門単位での利用も増えている」という。
23の機能が密接に連携 使いやすさにこだわったdesknet’sクラウド
desknet’sクラウドは、iOffice2000時代から日本の企業風土に合うよう改良を重ねてきたパッケージ版desknet’sの全23機能をそっくりそのまま利用できる。SaaSなので、更新作業などの管理者負担を大幅に軽減して常に最新の機能を低コストで利用できるのが最大のメリットとなる。
こちらの各機能も相互に連携した形で設計されており、特にポータル画面の直感的な見やすさ、使いやすさには強くこだわっている。メインウィンドウ部ではタブで全社共通/個人専用の画面を切り替え可能にしている他、Webガジェットインタフェースにも対応し、さまざまなウィジェットを表示させることができる。個々の情報窓は自由にレイアウトを変更することも可能だ。
「ポータルからスケジュールを登録して、メンバーの所在を確認しながら会議室やプロジェクターを予約し、会議開催を通達。議事録を作成・回覧するとともに、インフォメーションで全社一斉同報するといった一連の作業がミスなく実行できる」とネオジャパン マーケティング統括部の市村英二氏は説明する。
desknet’sクラウドは情報共有ツールとしての機能も強化している。中でも、リッチテキストや画像で視覚的なメッセージを伝える社内掲示板の「インフォメーション」、メール機能の補完として社内の回覧・日報など複数のメンバーに伝達する「回覧・レポート」、登録されているメンバーに記名/匿名で回答を依頼できる「アンケート」などが人気の機能だという。
また市村氏は、「desknet’s with Ajax」というオプションも有効だとしている。「ドラッグ&ドロップによるデータ操作やウィンドウサイズの変更、右クリックでのサブウィンドウ展開など、直感的な操作が可能になる。ページ全体を再読み込みせずに必要なデータのみを取得するので動作も軽い」とその効果を強調する。desknet’s with Ajaxは現在、スケジュール、設備予約、インフォメーション、ウェブメール、アドレス帳、利用者名簿のみの対応だが、desknet’sクラウドを契約すれば無料で利用できる。
| 機能名 | 説明 |
|---|---|
| ポータル | 全社共通/個人単位でポータルを作成し、タブで切り替え表示 |
| スケジュール | 個人とグループのスケジュールを日・週・月単位で参照。マウス操作で時間の延長や変更が可能 |
| ウェブメール | Webブラウザ上でデスクトップメーラーと同等の機能。「アドレス帳」「利用者名簿」と連携して宛先入力が容易 |
| 伝言・所在 | 在席、離席、行き先状況が分かる所在機能と伝言メモを作成する伝言機能 |
| 設備予約 | スケジュールに連動した設備や備品の予約管理、複数の設備の予約状況を同時に把握 |
| ワークフロー | 各種書類の申請で承認/否認のコメントや承認グループによる合議・協議が可能 |
| 回覧・レポート | 社内の回覧や日報・週報の通知を複数の相手に一斉同報。メールサーバに負荷を掛けずに社内コミュニケーションを補完 |
| 議事録 | 会議前のアジェンダの準備、会議後の議事録作成・回覧、資料共有などを支援 |
| インフォメーション | 社内のお知らせを一定期間掲示できる掲示板機能。事前予約登録も可能 |
| アドレス帳 | 全社共有と個人用のアドレス帳を使い分け。携帯電話からの参照時には閲覧データを残さない |
| 電子会議室 | テーマごとに会議室を作成できるBBS機能。アクセスランキングやログ集計も可能 |
| 文書管理 | 文書や画像などのフォルダをツリー構造で格納。文書名、コメント、更新日時から検索 |
| 購買予約 | 文具や弁当など複数人から予約を受け付け、締め切り時間を設定して集計・一括注文ができる |
| プロジェクト管理 | プロジェクトの進捗状況を1日~1カ月単位でグラフ化 |
| 仮払精算 | 交通費や出張費、物品購入費などの精算業務に有効 |
| 備品管理 | カタログや文房具、備品などの在庫情報の共有と出庫/入庫の履歴管理 |
| アンケート | 選択した複数人にアンケートを配布し、回答内容を集計する |
| アラーム | スケジュールやToDoの期限を事前にメール通知する機能 |
| メモパッド | 個人の電子メモ帳として登録。ファイルに添付することもできる |
| キャビネット | 個人で管理する文書や画像データを登録する機能。ファイルの公開/非公開を設定できる |
| 利用者名簿 | desknet’sを利用するメンバー情報を一覧。社員名簿・内線番号表としての利用も可能 |
| 安否確認 | 災害発生時にdesknet’sユーザーへ安否状況の確認メールを一斉配信し、安否状況を自動集計する事業継続管理のための機能 |
| ToDo | 仕事に期限を付けて管理する機能。スケジュール機能と連携 |
| タイムカード | 勤怠管理のタイムカード機能。トップ画面から出社、退社、外出(3回)、戻り(3回)の計8回の打刻が可能 |
スマートフォンも標準対応
さらに、desknet’sクラウドでは「安否確認」という機能にも独特の工夫を加えている。最近は地震などの災害や新型インフルエンザ対策として、万一の際の事業継続管理が不可欠となっている。その場合、緊急連絡先リストの作成や「安否確認メール送信→社員が確認・返信→返信内容を確認して安否状況を集計→返信がない社員の安否を確認」といった作業が非常に煩雑であり、緊急時の大きな課題となっている。desknet’sクラウドの安否確認では、あらかじめ緊急連絡先を簡単に登録でき、安否確認メールを一斉送信して社員の安否状況を自動集計するなど、有事の際の防災管理者のスピーディーな対応が可能になる。
また、desknet’sクラウドでは携帯電話・PHS対応の他、パッケージ版では有償のiアプリ、S!アプリ、iPhone、Android端末などのスマートフォン対応機能も標準で提供され、万一の場合でもスケジュールやインフォメーション、伝言・所在などの機能を時間と場所を問わずに利用できるのも大きなメリットだ。
加えて、日本の企業風土に合わせた個人単位での細かいアクセス管理も特徴で、フォルダや文書ファイルごとに閲覧不可、閲覧のみ許可、内容変更を許可するが削除は禁止といった設定が可能になっている。設備予約や電子会議室など機能ごとに管理者を設定できるのもユニークだ。
注目の技術や機能をいち早く取り入れる
パッケージ版では既に251万ユーザー(2010年9月時点の実績)を抱えるdesknet’sは、利用企業からの要望をできるだけ更新に反映するようにし、2010年6月にリリースしたdesknet’s V7.2では20カ所以上の改良を加えたという。篠崎氏は、「その時々で注目を集めた最新の技術や機能をいち早く取り入れている。ガジェット対応や安否確認などがその例。今後もユーザーからのリクエストの多い要件を参考に、メニュー単位での大小の機能拡充や新規メニューの追加なども継続して行っていく」と話す。
また、Applitusでは信頼性の高いデータセンターを活用し、要望に応じてVPNを活用するなどの個別対応も可能で、フレキシブルなセキュリティ対策の個別プランの提案も行っている。そうした努力が認められ、2010年2月、「ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム(ASPIC)」が主催する「ASP・SaaS・ICTアウトソーシングアワード2010」のASP・SaaS部門において、Applitusは応募総数126サービスの頂点となる総合グランプリを獲得した。必要なアプリケーションを自由に組み合わせられるカフェテリア方式のコンセプトや、desknet’sシリーズに限定せず他社のアプリケーションも共通のプラットフォーム上で提供するという独自のスキームが評価されたという。
日々の業務に密接な関わりを持つグループウェアは、“使い心地”が何よりも大切である。Applitusの各アプリケーションには30日間無料の試用期間が設けられているので、多くの企業が活用するdesknet’sが自社の肌に合うかどうか、じっくり試してみるのもいいだろう。
| 項目 | 初期費用 | 月次費用 | 12カ月パック |
|---|---|---|---|
| ベーシックプラットフォームサービス(※) | 5万2500円 | 1万5750円 | 17万100円 |
| desknet’sクラウド(30ユーザー以上、1ユーザー当たり) | 1万500円 | 525円 | 5670円 |
| ディスク追加オプション(5Gバイト単位、最大20Gバイトまで) | - | 1万500円 | - |
| SSLサービス | 6万8040円 | - | 6万8040円 |
| ドメイン取得代行費用(属性、汎用jp) | 7560円 | - | 7560円 |
| ドメイン取得代行費用(gLTD) | 3675円 | - | 3675円 |
| ※標準20Gバイトディスク領域、パラレルズのサーバ管理ツール「Plesk」のコントロールパネル、メールサーバ(200アカウントまで)、Webサーバ、ウイルス対策、スパムフィルタ、バックアップ、サポートサービスを含む | |||
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質を両立、DONUTSが実践する「ハイブリッドなQA体制」の構築術 -
製品レビュー
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質は両立できる? DONUTSの「ジョブカン」に学ぶQA戦略 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 「プラットフォームエンジニアリング」調査レポート:利点・課題・未来像を詳説 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 生成AI活用のためのテクノロジー基盤、構築に際しての7つの検討事項とは? -
製品資料
[レッドハット株式会社] ビジネスの現場へのAI導入と活用、何から始めてどのように進めるべきか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
4
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
5
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
6
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
7
本当にそのIBM iに問題はない? ブラックボックス化と属人化を防ぐ第一歩
-
8
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
9
「シェルコード」とは? 凶悪なマルウェア感染を可能にする手口
-
10
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
3
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
4
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
5
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
6
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
7
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
8
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
9
複雑な組織構造で一度は頓挫した電子化、東京女子医科大はどう全学展開したか
-
10
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー