エンタープライズ製品の機能をクラウドで マイクロソフトのグループウェア「BPOS」中堅・中小企業向けグループウェアSaaS探究:日本マイクロソフト

「Microsoft Online Services」は、マイクロソフトの企業向けサーバソフトで提供している機能をオンライン利用できるサービス。そのスイート版「BPOS」には同社の業務生産性に対するこだわりが込められている。

2011年02月08日 08時00分 公開
[富永康信,ロビンソン]

 Microsoft OfficeからWindows Serverに至るまで、アプリケーション、ミドルウェア、プラットフォームの全てのレイヤーで製品群を提供している日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)は、そのユーザーエクスペリエンスに向けた投資をクラウドの世界にも急速に拡張することで、多様化するビジネス要件に応じたサービスの柔軟な選択肢を与えようとしている。

 具体的には、SaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)をカバーするクラウドサービスを、オンプレミス(内部設置型)のエンタープライズ製品と同じテクノロジー基盤で構築することにより、シームレスかつハイブリッド型でソリューションを選択できるようにするというもの。

 2008年から提供を開始したクラウド型グループウェアの「Microsoft Online Services」はその代表格といえる。マイクロソフトがエンタープライズサーバ製品で長年培ってきたメールや予定表、情報共有などのグループウェアの機能を、そのままオンラインで利用できるサービスだ。

 現在、Microsoft Online Servicesは「Exchange Online」(電子メール、予定表共有、施設予約)、「SharePoint Online」(ファイル共有、ポータル、掲示板、情報共有サイト、ワークフロー)、「Office Communications Online」(在席情報、インスタントメッセージング)、および「Office Live Meeting」(Web会議、アプリケーション共有)の計4つの主要コンポーネントがラインアップされている。Exchange OnlineとSharePoint Onlineが非リアルタイムのコラボレーション(共同作業)の要求をカバーし、Office Communications OnlineとOffice Live Meetingがリアルタイムのコミュニケーションを実現すると理解すればいいだろう。

 それら製品群をスイート化したのが「Business Productivity Online Suite」(BPOS:ビーポス)と呼ばれるものである。

BPOSを構成する4つのコンポーネント

 次に、BPOSの各コンポーネントの概要を一通り紹介する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.jpg

世界のモバイルアプリ市場はこう変わる 2025年における5つの予測
生成AIをはじめとする技術革新やプライバシー保護の潮流はモバイルアプリ市場に大きな変...

news078.png

営業との連携、マーケティング職の64.6%が「課題あり」と回答 何が不満なのか?
ワンマーケティングがB2B企業の営業およびマーケティング職のビジネスパーソン500人を対...

news125.jpg

D2C事業の約7割が失敗する理由 成功企業との差はどこに?
クニエがD2C事業の従事者を対象に実施した調査の結果によると、D2C事業が成功した企業は...