グローバルBIの課題「時差」と「運用負荷」を克服した機械製造業事例事例で学ぶBI活用のアイデア【第4回】

BIを特定の部門だけでなく、全社やグループ企業全体の情報基盤にしようと考える企業が増えてきている。グローバルのグループ企業にBIを展開したある製造業のシステム構築の工夫を紹介する。

2011年08月04日 09時00分 公開
[小島 薫,ウイングアーク テクノロジーズ]

BIの全社利用、グループ利用が増えてきたわけ

 最近ではビジネスインテリジェンス(BI)システムの構築範囲(スコープ)が、部門から全社、そしてグループ企業へと広がってきているようだ。もともとBIシステムの導入は「小さく始めて大きく展開する」手法が比較的成功率が高いといわれており、全社あるいはグループの情報活用基盤としての展開が増えてきている。これには幾つか理由がある。

 従来は部門や業務といったセグメント単位でのBIシステムの導入が比較的多かったが、企業競争力のさらなる強化のために、部門最適から全社最適、企業グループでの最適化が求められるようになってきた。また、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の導入に伴い、グループ企業全体での会計システムの見直しや、より詳細なレベルでの会計データ連携の必要性が求められるようになってきた(※)。

※IFRS適用についてはスケジュールの見直しが行われており、これについてはややトーンダウンの動きもあるようだ。

 一方で、東日本大震災後、事業継続計画(BCP)におけるシステムの在り方として、グループ全体でのシステム統制やデータ統合の話題も挙がっており、今後この動きが加速する可能性は大きいのではないだろうか。そして、企業グループというスコープでBIシステムを考えた場合に、多くの企業ではその中に海外のローカル企業や現地法人が含まれることも少なくないだろう。

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