TechTargetジャパンで実施した調査から、企業における情報共有ツールの利用状況と課題を紹介。Twitter、Facebookなどの業務利用はそれほど進んでおらず、むしろ利用を禁止している企業も多いようだ。
TechTargetジャパンは2011年7月12日から21日、会員を対象に「情報共有」に関するアンケート調査を実施した。調査からは、現在情報共有のために導入しているツール、現状の情報共有環境の課題などが明らかとなった。本稿では調査の一部を抜粋して紹介する。
目的:TechTargetジャパン会員の情報共有環境について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年7月12日〜21日
有効回答数:200件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
情報共有のために導入済みの製品/サービスを尋ねた結果、「電子メール」(93.5%)、「ファイルサーバ」(85.5%)、「グループウェア」(79%)などはほとんどの企業で導入されている。それに対して、昨今メディアなどで取り上げられることの多い「社内SNS」(7.5%)、「社内ブログ(7.0%)」、「社内Twitter」(4.0%)などは総じて1割以下の導入率だった。
現状の情報共有環境の満足度を尋ねたところ、「満足している」と答えた企業はわずか1割。「不満を感じている」(37.5%)企業に情報共有環境の課題を尋ねたところ、「情報共有する際のポリシーができていない」(48.0%)、「情報の検索、再利用が難しい」(44.0%)、「利用を推進する部門がない」(42.7%)などが多く挙げられた。
また、グループウェア導入企業に導入済みグループウェアの課題を尋ねたところ、「文書管理・文書検索機能が弱い」(31.6%)、「一部の機能しか利用していない」(27.8%)、「ワークフロー機能が弱い」(22.8%)などが多く挙げられた。先述した情報共有環境の課題(図3)でも「情報の検索、再利用が難しい」が比較的多く挙げられており、併せて考えると文書を含めた情報の検索・再利用が目下の課題となっているようだ。
一方、今回の調査において導入企業が最も多かった「Lotus Notes/Domino」に課題を絞り込むと、実に過半数が「運用管理コストが高い」と回答。次いで「文書管理・文書検索機能が弱い」(42.9%)が多く挙げられており、蓄積してきた情報資産の運用方法、それに伴うコスト増に悩む企業が多い状況が見て取れる。
最後に、無料サービスを含む情報共有ツールの中で、利用を禁止しているものを調査した結果を紹介したい。大企業(従業員1001人以上)ほど禁止しているツールが多く、中でも「mixi」(57.4%)、「インスタントメッセンジャー(IM)」(55.6%)、「Skype」(53.7%)、「GREE」(51.9)は大企業の過半数が利用を禁止している。また、「Twitter」「Facebook」に関しても大企業の4割以上が利用を禁止している。
これらのツール利用を禁止している理由は「社内ポリシーに反する」(66.7%)がトップ。次いで「セキュリティが不安」(50.4%)、「私的利用による生産性の低下を懸念」(40.2%)が多く挙げられた。情報共有環境の課題(図3)と併せて考えると、これらのツールを業務利用するには、まず社内ポリシーの見直し、もしくは現状の社内ポリシーに合致させるための環境整備が壁になっているようだ。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性を紹介している。ぜひ参照されたい。
【主なリポート内容】
調査概要/情報共有ツール導入に関する立場/情報共有のために導入済みの製品/利用中のグループウェア/既存グループウェア環境の満足度/グループウェア環境の課題/電子メールの利用形態/既存電子メール環境の満足度/電子メール環境の課題/利用を認めている情報共有ツール、など(計59ページ)
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