仮想デスクトップインフラに適したタブレット端末を選ぶ4つの視点知らないと困るタブレット端末活用の注意点

タブレット端末がRDPに対応していても、全てのRDPベースの仮想デスクトップに接続できるとは限らない。仮想デスクトップへのアクセスにタブレット端末を使用する場合の特徴や制限、注意点を確認する。

2011年12月15日 09時00分 公開
[Brien M. Posey,TechTarget]

 タブレット端末の人気が沸騰する中、ユーザーの間ではタブレット端末から会社のデスクトップPCのリソースにアクセスしたいという要望が高まっている。タブレット端末からデスクトップ環境を利用できるようにするためには、仮想デスクトップインフラ(VDI)を使うという方法がある。ただし、実際に従業員の端末が会社のリモートデスクトップ環境と連係できるかどうかを確認することが重要だ。

 今日市場に出回っているクライアント端末はそれぞれ大きく異なり、エンドユーザー体験の質も端末によってまちまちだ。会社のVDI構成と最も相性の良い端末がどれかを見極めるためには、異なる種類の端末を幾つか試してみるといいだろう。

 仮想デスクトップにアクセスするための端末としてタブレット端末を使用する場合の特徴や制限、注意点を確認しておこう。

コネクションブローカ

 タブレット端末で利用できるクライアントアプリケーションの大半は、米MicrosoftのRemote Desktop Protocol(RDP)を使うように設計されている。RDP対応アプリであればRDPベースのあらゆる仮想デスクトップに接続できると思いがちだが、実際はそうとも限らない。

 RDPクライアントの中にはVDIへの接続を問題なく確立できるものもあるが、RDPクライアントはVDIプラットフォームが使用するコネクションブローカとの間に互換性があるとは限らない。コネクションブローカとは、リモートの仮想デスクトップへのクライアントセッションの接続を管理するものだ。

 さらに、「iTap RDP」など一部のシンクライアントアプリのライセンスには基本的なRDP接続しか含まれていない。ターミナルサービスゲートウェイ(TSゲートウェイ)やコネクションブローカを通過する必要があるのなら、そうしたアプリでは追加コンポーネントのライセンスを取得しなければならない。

帯域幅の問題

 その他に考慮すべきポイントの1つには、タブレット端末がVDIシンクライアントとして振る舞うための帯域幅が十分にあるかどうかという問題がある。RDPは低帯域幅環境で機能するため、恐らく大半のタブレット端末ユーザーにとって帯域幅は問題にならないだろう。接続にWi-Fiまたは4G接続を使っているのであればなおさらだ。

 だが高速モバイルブロードバンドを利用できないような田舎にエンドユーザーが出掛けた場合には、帯域幅の問題が生じる可能性がある。

 また携帯端末の接続を長時間使い続けるユーザーがいれば、帯域幅の消費が問題となる可能性もある。大半の携帯キャリアは顧客が消費できるモバイルブロードバンド帯域幅の量を制限している。通常、そうしたキャリアはデータ転送量の割当を超過した分については、ユーザーに莫大な超過料金を請求する。

ディスプレーの解像度

 タブレット端末では、スマートフォンと比べてディスプレーの解像度はそれほど大きな懸念材料とはならない。一般にタブレット端末はスマートフォンよりもディスプレーが大きく、解像度も高いからだ。だが、タブレット端末のネイティブな画面解像度は通常、仮想デスクトップの解像度と異なる。例えば、iPad 2のネイティブの解像度は1024×768だが、多くの仮想デスクトップの解像度は1280×1024または1440×900だ。

 仮想デスクトップとタブレット端末のディスプレー解像度が異なる場合、端末の画面に仮想デスクトップをフィットさせるのはシンクライアントアプリの役割だ。そのための方法には主に次の2つがある。

 1つ目は、シンクライアントアプリがタブレット端末のディスプレーに合わせて仮想デスクトップの画面を圧縮するという方法だ。この方法の場合、画質が若干落ちることになる。解像度の違いにもよるが、圧縮後の画質は許容できる範囲内のこともあれば、時には仮想デスクトップの画面がほとんど判読不可能になる場合もある。

 もう1つの方法は、仮想デスクトップの画面をフル解像度で表示するというもの。この方法の場合、デスクトップ画面のさまざまな部分にアクセスするためには画面をパン(スクロール)する必要がある。この方法の利点は、画質の劣化がない点だ。欠点は一度に仮想デスクトップ全体を見渡せない点だ。仮想デスクトップでフルスクリーンのアプリを実行するときに常にあちこちスクロールしなければならないのは、イライラするだけでなく、スクロール中に余計なところをクリックしてしまう面倒も起こしやすい。

マウス機能

 最後にもう1つ考慮すべきは、マウス機能のサポートがシンクライアントアプリごとにまちまちであるという点だ。通常、端末の画面をタップすればマウスクリックの代わりになる。ただしシンクライアントアプリの中には、マウスの右クリックに相当する機能を提供しないものもある。その点は考慮に入れておく必要があるだろう。

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