Windowsの「リモートデスクトップ」は遠隔地から自分のコンピュータに接続するための機能だが、セッションの確立がうまくいかないことがある。リモートデスクトップの接続や認証、暗号化に関するトラブルシューティングを紹介しよう。
Windows XPがリリースされて以来、筆者が最も好んで利用している機能の1つが「リモートデスクトップ」だ。よく知らない読者のために説明しておくと、これはWindowsに組み込まれている機能の1つで、RDP(Remote Desktop Protocol)というプロトコルを使ってリモートから自分のコンピュータに接続することを可能にする。例えば、あなたが自宅にいるときに会社にある自分のコンピュータに保存されたデータを参照する必要が生じた場合、リモートデスクトップセッションを確立すれば、自宅から会社のPCをリモートでコントロールすることができるのだ。リモートデスクトップはWindows Terminal Servicesと同じ技術をベースとしており、使用するプロトコルも同じだ。
リモートデスクトップはとても便利だが、問題が起きることもある。リモートデスクトップセッションは通常は安定しているが、接続時および認証時にトラブルが発生することがあり、その原因は幾つかある。リモートデスクトップで問題が起きた場合に役立つトラブルシューティングテクニックを以下に示す。
リモートデスクトップで最も多い問題は、恐らくリモートPCが見つからないというトラブルだろう。この問題を引き起こす原因は幾つかある。最も単純な原因は、リモートコンピュータ名のスペルが間違っているというものだ。リモートコンピュータに接続できないときは、まずリモートコンピュータ名のスペルが間違っていないか確認しよう。
リモートマシン名のスペルが正しければ、次はDNSに関連した問題が考えられる。リモートデスクトップが使用するRDPプロトコルは、TCP/IPプロトコルの上に乗っている。読者もご存じだと思うが、TCP/IPがシステムを特定するメカニズムではWindowsのコンピュータ名を使用しない。コンピュータ名を指定できるのは、DNSサーバがコンピュータ名をIPアドレスに名前解決するからだ。
名前解決に問題がある場合の対処法は2つある。1つの方法は、リモートシステムのNetBIOS名ではなく完全ドメイン名を使用することだ。これで必ずしもコネクションを確立できるとは限らないが、この方法で問題が解決する場合もある。
もう1つの対処法は、名前ではなくリモートコンピュータのIPアドレスを指定することだ。一般に、接続にはコンピュータ名よりもIPアドレスを使用した方が、問題が起きることはずっと少ない。しかし、IPアドレスが問題の原因になることもある。
IPアドレスを使って接続する場合に問題が生じる最大の原因は、動的IPアドレスの使用だ。サーバに接続するのであれば、これが問題になることはないだろう。ほとんどのサーバは固定IPアドレスを使用しているからだ。一方、ほとんどすべての作業用(クライアント)PCは動的IPアドレスを使用している。すなわち、あなたのPCが今日使っているIPアドレスが、明日には別のPCに割り当てられるかもしれないのだ。接続先のマシンが動的IPアドレスを使用しているのであれば、接続の際にマシンのIPアドレスではなくホスト名を指定する以外に実質的には選択肢がない。
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