前編に続き、x86ベースコンピューティングアーキテクチャのOSを仮想化ベースコンピューティングアーキテクチャに適合させる上での課題を、2回にわたって解説する。今回は、その後編。
最近は、特定機能を提供する興味深い仮想アプライアンスが市場に数多く登場している。だが、企業に普及しているものはあまりないのが現状だ。
仮想アプライアンスが企業で活用できるものになるためには、幾つかの重要な条件を満たさなければならない。
まず、仮想化ベンダーは企業レベルで仮想アプライアンスのセキュリティ確保と管理を行うことを可能にするインフラとサービスを提供しなければならない。例えば、エンドユーザーはVMware環境でVirtual Rights Management(VRM)インタフェースの恩恵を受けるだろう。このインタフェースによって、ITセキュリティ管理者が仮想アプライアンスサービスのネットワーク経由のユーザーアクセスを制御するためのポリシーや、認証、暗号化、コピープロテクトによって社内データを安全に保つためのポリシーを設定・実施できるからだ。また、企業ユーザーは仮想アプライアンスソフトウェア用の使いやすいパッチメカニズムや、そのほかのライフサイクル管理サービスも必要とするだろう。
次に、ISVとエンドユーザーが必要な機能とサービスのセットだけを含むように各仮想アプライアンスを作成し、カスタム構成することが可能でなければならない。使いやすいオーサリングシステムが整備されれば、ベンダーとユーザーが特定機能に特化した多種多様な仮想アプライアンスを利用することが促進されるだろう。
最後に、一般的な業界標準に基づいて仮想アプライアンスの認定を行う必要がある。企業顧客がアプライアンスベンダーから提供される製品の内容を把握し、信頼できるようにするためだ。VMwareの認定プログラムは、出発点として優れた取り組みだ。顧客が仮想アプライアンスを入手してすぐに効果的に活用できること、そして仮想アプライアンスで動作するすべてのソフトウェアスタック(OSやミドルウェアを含む)を同社がサポートすることを保証しているからだ。次のステップは、共通の認定基準となる標準作りに仮想化ベンダーが取り組むことだ。これは、仮想アプライアンスの広範な普及に道を開くことになるだろう。
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