2008年01月28日 04時49分 公開
特集/連載

Windows Server 2008と仮想化が今年の台風の目にITマネジャー注目の技術

デスクトップ管理問題の解決や物理デバイスの削減を目的に、Microsoftのアプリケーションを使った仮想化の導入を考えるITマネジャーが増えている。

[Christina Torode,TechTarget]

 ITマネジャーにどの技術が自社とIT業界全体に最大の変化をもたらすと思うかと尋ねると、彼らがすぐに思い浮かべるのは仮想化だ。

 一部のITマネジャーは仮想化によってデスクトップ管理の問題を解決することを考え始めている。ウェイクフォレスト大学バプティストメディカルセンターのブライアン・J・ウズウィアック氏もその1人だ。同氏は同メディカルセンターのネットワークと情報サービスを管理している。

 「われわれはMicrosoftのSoftGridを使ったアプリケーションの仮想化を検討している。それによって、ソフトウェアの導入展開やアプリケーションの非互換の問題に関するCitrix Systemsの製品とMicrosoftのSMS(Systems Management Server)の機能のギャップを埋められるからだ」(ウズウィアック氏)

 Office 2007が仮想化を利用して導入展開するソフトウェアの候補になるだろう、と同氏は付け加えた。

 また、Windows Server 2008とそのネットワークアクセス保護(NAP:Network Access Protection)機能は、ウズウィアック氏が同メディカルセンターのデスクトップのセキュリティを確保するための切り札になるかもしれない。この機能は、デバイスを隔離してセキュリティリスクをチェックしてからユーザーにネットワーク接続を許可するものだ。

 同センターのIT部門は、WindowsサーバおよびクライアントでNAPをテストしてきた。「この技術はソフトウェアアシュアランスでカバーされている。われわれは、これまで多額の投資を行ってきた802.1xベースの無線技術にサードパーティーのセキュリティレイヤを追加せずに済むだろう」(ウズウィアック氏)

 医療スタッフや医師助手はセンターにいないことも多い。無線アクセスとNAPの組み合わせにより、当センターはクライアントのネットワークアクセスと更新を安全に実現できるだろう、と同氏は語った。

仮想化がフル活用される

 法律事務所Eisenhower & Carlsonのボブ・ウィリアムソン氏は、仮想化を利用して物理デバイスをできるだけ減らしている。

 ほとんど1人で同法律事務所のITを管理しているウィリアムソン氏は、仮想化技術を積極的に活用している。同事務所のITの80%は、VMwareのESX ServerとiSCSI SANを使った仮想環境で運用されている。「仮想化は盛んにもてはやされているが、わたしの事務所でも既になくてはならないものになっている」とウィリアムソン氏。「IT部門が好むと好まざるとにかかわらず、仮想化の普及が進んでいる。この技術はさまざまな目的に大いに役立つ」

 ウィリアムソン氏は2008年、Windows Server 2008の新機能を利用して、ユーザーがどこにいても、仮想XPマシンからアプリケーションにアクセスできるようにしたいと考えている。

 「Windows Server 2008が手に入るのを楽しみにしている。このOSにより、ユーザーはダブルクリックするだけでターミナルサーバのシームレスウィンドウでアプリケーションにアクセスできるようになる」とウィリアムソン氏。「Windows Server 2008のこの新しいリモートデスクトップ機能を使えば、ユーザーはWebサイトにアクセスし、そこからリモートデスクトップを利用できる。ノートPCは不要になる」

 一方、仮想化技術のハードウェアへの統合により、新たな構成が実現される可能性が開けるだけでなく、企業の技術ライセンス購入の在り方も変わりそうだ。

システムBIOSに実装される仮想化

 Citrix Systemsのデータセンターオペレーション部門の主席システムプログラマーを務めるトーマス・イントマン氏は、仮想化によって高価なソフトウェアやライセンスをサードパーティーから個別に入手する必要がなくなる可能性があると考えている。

 「ハードウェアベンダーが、仮想化技術をシステムのチップだけでなくBIOSにも組み込む取り組みに携わる例が見られる」とイントマン氏。「こうした取り組みにより、サーバを最初に構成する際に、サーバを仮想化ホストとするかスタンドアロンサーバとするかを指定できるようになる」

 仮想化技術がハードウェアに密接に統合されれば、サードパーティーソフトウェアのライセンスは個別に提供されるものではなくなり、ハードウェアの一部として購入されることになるだろう、とイントマン氏は考えている。

 仮想化は企業のリソース配分とハードウェアの更新サイクルに大きな変化をもたらし、IT部門は新しいブレークスルー技術に速やかにアクセスできるようになるだろうと、Kroll Factual Dataの主席技術アーキテクト、クリストファー・ステフェン氏は語った。同社はリスクコンサルティング会社Krollの子会社だ。

 ステフェン氏は、仮想化によってKroll Factual Dataでは、新しいハードウェアリソースを購入する必要性がほぼ半減し、浮いた費用が先進的な技術の購入に充てられると予想している。デスクトップやアプリケーションを含むさまざまなレイヤーで仮想化が行われる結果として、多くのIT部門がこうした見通しを持つことができるという。

 「しかも、仮想化によって極めて高い冗長性が確保できる」とステフェン氏。「クライアントがダウンしても、すぐに別のマシンに切り替えられる。ユーザーへの恩恵は絶大だ」

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