Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは投資家向け電話会議の席上で、Googleのビジネスを非難し、対抗策としてAppleとの協業を説明した。MicrosoftとGoogleは現在、検索市場やオフィススイート製品など、さまざまな分野で競合関係にある。
CEOとして最後の投資家向け電話会議に臨んだ米Microsoftのスティーブ・バルマー氏は、その席上で米Googleのビジネスをやり玉に挙げた。
加えて同氏は、自社商用サービスの訴求力を高めるため、自社デバイスを積極的に活用していく計画を説明した。退任を発表する前、バルマー氏はMicrosoftが今後、いかにしてソフトウェアとハードウェア、サービスの各事業に注力していくかを話していた。
Microsoftは9月に入ってから、Nokiaの携帯電話事業を72億ドルで買収する計画を発表している。その際に専門家らは、米Appleの「iOS」「iTunes」「iPhone」などからなるエコシステムと同様に、MicrosoftもWindows Phoneエコシステムの一部として、Nokiaの端末を開発することを期待した。
電話会議において、バルマー氏は「われわれは、自社のサービスとデバイスを統合していくつもりだ。また、個人と企業の両方に向けて、他社デバイスでもサービスを提供していく」と述べた。
バルマー氏はさらに、Microsoftの牙城である「Microsoft Office」や「Windows」のビジネスに浸食してきたGoogleとの争いに対抗すべく、他社との協業も模索していることを明らかにした。Telegraph Media GroupやReed.co.ukといった企業は、オンプレミスのMicrosoft Officeから、ブラウザベースのGoogle競合製品にシステムを移行した。
Nokiaの携帯電話事業を買収することで、Microsoftはスマートフォン市場での足掛かりを得る。また驚きなのは、Microsoftが検索エンジン「Bing」を世間に売り込むべく、最大のライバルであるAppleと協業したことだ。
「Appleが提供するSiriの一部として、Bingの検索結果を提供できて非常に光栄だ。これは珍しいことだと感じるかもしれない。しかし、われわれはAppleが手付かずの分野に投資しており、彼らと協業する道が開けた」(バルマー氏)
Bingは、Microsoftの今後の計画を考える上で大きな柱の1つとなる。ソフトウェア企業である同社がインターネット検索による広告収入を見込めるからだ。ただし、バルマー氏は、同サービスがいまだに米国市場に注力している状況であることを認めた。同氏はBingとGoogleを比較し、「仮にアルゴリズムのクオリティが全く同じで、検索広告の規模がずっと小さいのであれば、検索から得られる収入がGoogleよりも低くなるだろう」と語った。
モバイル市場を攻めることが規模拡大を狙う唯一の方法だ。だが、検索エンジンをサードパーティー端末に提供するにはコストが掛かる。「Googleは、SamsungやAppleの端末に(検索エンジンを)提供するために支払う潤沢な資金がある。うわさによると、Googleは検索製品を配布するために、年間10億〜20億、30億ドルを端末ベンダーに支払っているという。そういうわけで、われわれが成長するためには、ボリュームを生み出す必要がある」とバルマー氏は述べた。
規制当局はGoogleの商習慣に目を向けるべきだと同氏は指摘する。「Googleの商習慣は規制当局と議論する余地があると私は考えている。実際、われわれは規制当局とその件について話し合いの場を設けてきた。その際、YouTubeやGoogle Mapsなどをバンドル提供しているGoogleの悪しき商習慣の一部を強調した。私は、彼らが規制当局から圧力を受ける必要があると思うし、市場でのプレッシャーも必要であると考えている」(バルマー氏)
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