「あの人じゃないと分からない」をなくす、中小企業こそできる案件管理システム作成術kintoneでベテランのノウハウをツール化(1/2 ページ)

今野製作所は1961年創業の老舗企業だ。「油圧爪付きジャッキ」の受注設計生産で業績を回復した秘策は、ベテラン営業の顧客要求の引き出しノウハウをkintoneで可視化し、情報共有するシステムを作ったことにある。

2016年02月29日 08時00分 公開
[岡崎勝己]

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今野製作所 今野製作所

 自動車や鉄道のレールといった重量物の移動に欠かせない油圧ジャッキ。それに爪を付けた「油圧爪付きジャッキ」を国内で初めて商品化したのが今野製作所である。同社は油圧機器の設計製作を事業の柱に据え、他に板金加工や福祉機器の開発製造販売といった受託開発事業も手掛ける。創業は1961年。東京本社、大阪営業所、福島工場、の3拠点を構え、従業員は約30人の中小企業だ。

 今野製作所の代表取締役社長である今野浩好氏は、顧客ニーズの変化に応じて発生した業務フローの混乱や衝突を、ITシステムで改善しようと考えた。ただし、単なるトップダウン指示と、ITベンダーが提案するシステムを導入しただけでは現場が付いてこない心配があった。まずは現場の業務プロセスの問題を整理し、その上で新しい業務フローに適したシステムを安く作りたい、という今野氏の構想にマッチしていたのが、サイボウズの業務アプリケーション構築クラウドサービス「kintone(キントーン)」であった。1人の従業員が何役も兼任することが多い中堅・中小企業では、業務プロセスが属人化する問題から逃れることは難しい。同社も直面していたこの問題をどのように整理して、システムを構築したのだろうか。

従来の業務フローが情報の正しい流れの“足かせ”に

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