学校が知るべき「家庭内IT」の今【前編】
中高生の家庭では「LINE禁止」「ネット制限」は“常識”ではない(1/2 ページ)
教育機関がIT活用やIT教育を進めるためには、学習者の家庭でのIT環境も考慮する必要がある。保護者によってIT活用の考え方は異なり、家庭内IT環境はさまざまだ。今回は筆者の家庭での実例を紹介する。
IT活用を進めているかどうかにかかわらず、教育機関は学習者の家庭内でのIT環境を無視することはできない。「情報やITを活用して課題を解決する能力」である情報/ITリテラシー、「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」である情報モラルの教育に当たって、学習者が教育機関の外でITをどのように触れているのかを理解しておくのは重要なことだ。
家庭内でのIT環境と一口にいっても、その実態はさまざまだ。保護者のITに対する考え方は一律ではなく、学習者がITをどう活用しているか、どのような使用ルールの下で活用しているかは、家庭によって全くといっていいほど異なる。中には、教育機関が想定していないような使い方やルールの下で、ITに触れている家庭もあるだろう。
全ての学習者が、家庭内でITをどのように活用しているかを知るのは難しい。そこで参考までに、私の子どもが家庭でITをどのような方針で活用しているかを紹介しよう。あくまでも家庭内IT活用の一例にすぎず、かつ一般的な家庭と比べると活用や制限の仕方が少々特殊かもしれない。だが教育機関のIT導入/活用担当者にとって、家庭内IT活用の多様性を理解する一助となるはずだ。
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中学生からスマートデバイスのヘビーユーザーに
私の娘には、中学生のころからAppleのスマートデバイス「iPod touch」を買い与えていた。親子のコミュニケーションを深めることが目的だ。実際、私はコミュニケーションアプリケーションの「LINE」で娘と連絡を取り合っており、特に多忙で帰宅が深夜になり、直接会って話す機会が少ない場合に重宝した。
iPod touchを手にした娘は、LINEもオンラインゲームも中学生のころから一通り経験してきた。実際は「経験した」どころではなく、隠れて夜中にゲームなどをしてしまうので、怒った私がiPod touchを取り上げたりすることも一度や二度ではなかった。他の家庭の一般的な中学生もそうかもしれないが、その中でも結構なディープユーザーだといえるだろう。
なぜスマートフォンではなくiPod touchを購入したのか。両者の間には機能面での違いはほとんどないが、1つだけ決定的な違いがある。それはiPod touchには携帯電話回線を使った通信機能がなく、無線LANの届く範囲でしかネットワークを利用できないことだ。外出時や旅行などの長時間移動の際は、私が許可したとき(私が持つスマートフォンのテザリング機能をオンにしたとき)のみしかネットワークを利用できないように制限をした。
これは文字通り、iPod touchの利用場所を私や他の家族の「目が届く範囲内」に限定したことを示す。もちろん、やろうと思えば無料の公衆無線LANが使える場所を探して、暗号化設定をしていない無線LANアクセスポイント(「野良アクセスポイント」とも呼ばれる)に接続することはできる。だが実際には、私が「管理されてないネットワークの利用にはさまざまなリスクがある」と教えておいたこともあり、娘がiPod touchを使うのは家の中だけという運用が定着した。
私は、娘がどんなゲームをしているか、LINEで誰と会話しているかが気になり、確認したことはある。だが、それ以外は基本的に自由に使わせており、パスワードの共有もしていない。もちろん隠れて何かをしていた可能性はあるものの、それでも致命的な事件や事故が起こる前に気付くことができる機会は、ある程度確保できていたと考えている。
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