今更聞けない「サイバーセキュリティ保険」の真実、何をどう補償するのか?「サイバーセキュリティ保険」を正しく理解する【第1回】(1/3 ページ)

セキュリティ対策の重要性が高まる中、万一の被害を想定したリスク移転の有力な手段となるのが、サイバー攻撃などによる被害を補償する「サイバーセキュリティ保険」だ。その現状を整理する。

2016年06月30日 09時00分 公開
[阿部欽一]

 サイバー攻撃や内部不正などにより、重要情報の漏えいやサービス停止といった被害が発生した場合、原因や被害状況の調査、復旧作業や顧客対応などに多大な費用が必要になる。企業経営にとって無視できないこうしたサイバーリスクの移転手段の1つとして、「サイバーセキュリティ保険」の加入がある。

 「サイバー保険」「情報セキュリティ保険」とも呼ばれるサイバーセキュリティ保険。既に国内でも販売されているものの、まだ本格的な普及に至っているとはいえないのも事実だ。具体的な保険の内容が分かりにくく、契約に二の足を踏んでいる企業も少なくないだろう。

 そもそもサイバーセキュリティ保険とはどのような保険であり、具体的に何をどう保証してくれるのか。どのようないきさつで登場したのか。詳しく見ていこう。

サイバーセキュリティ保険がカバーする4つのリスク領域

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