音声コミュニケーションは、音質が重要な要件の1つだった。しかし、コンシューマー市場の変化によってその要件が変わりつつある。
高品質の音声コミュニケーションは基本要件の1つだが、品質に対する考えは人それぞれで、使う環境にも左右される。
企業がコラボレーション環境を構築するためにVoice over IP(VoIP)やユニファイドコミュニケーション(UC)への移行を検討するとなると、音質に関する問題は一層複雑だ。ある程度の妥協も必要になってくる。
これまでずっとPSTN(公衆交換電話網)の誇りは音質の高さだった。企業にとっても通話品質は長い間、重要な要件の1つだった。初期の携帯電話サービスの音質が悪かったことや、パブリックインターネットを使ったベストエフォート型サービスのVoIPの音質が低いことも、音質重視の志向を強める要因となった。
まだ技術的に新しかった携帯電話サービスは非常に高額だったし、VoIPはコンシューマー向け技術と考えられていたため、どちらも当時はビジネス用として受け入れられるものではなかった。
これらの技術が成熟して状況は変わった。だが変わったのは技術だけではない。ありとあらゆるアナログ音声がデジタル化され、音楽を持ち歩けることが音質より重要になった。このこととUCや音声コミュニケーションは無関係に思えるかもしれないが、実はそうとも言い切れない。
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