NVMe SSDへ移行しストレージの世代交代を進めるには?既存システムのCPUがボトルネックになることも

高性能SSDインタフェースを取り入れるには、入念な計画が必要だ。NVMe(Non-Volatile Memory Express)技術の進化に伴い、どうすれば容易に移行できるかが模索されている。

2018年04月06日 09時00分 公開
[John EdwardsTechTarget]
画像 移行の落とし穴に落ちないために

 NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、次世代ストレージシステム向け論理デバイスインタフェースとして登場した。前世代のSAS/SATAの仕組みでは不可能だった大幅な性能向上を実現する。NVMe型SSDの登場でSASとSATAは旧設計のインタフェースになった。

 SSDの能力を十分に引き出すには、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)バスに直接接続して、NVMe技術を最大限活用しなければならない。最近、そのことを認識し始めている企業が増えている。

 「NVMeへの移行によって、可能な限りCPUに近づけられる」とグローバル規模のIT支援を行うPhoenixNAPのプレジデント、イアン・マッククラーティ氏は説明する。このアプローチでは複数のPCIeバスを使ってレイテンシ低減と速度向上を実現でき、SAS/SATAインタフェースの課題だったボトルネックを解消するという。

移行を進めるには

 NVMe型SSDへの移行は、これから何年かの間、徐々に進むとみられる。幸い現在SAS/SATAを利用している企業が直ちにフォークリフトアップグレード(ハードウェアとソフトウェアを一度にまとめてアップグレードすること)する必要はなさそうだ。

 「将来に備えて、フラッシュ技術の革新的でスケーリング(拡張)が可能なアーキテクチャを実装すべきだ」

 そう説明するのは、ストレージとデータ管理ソフトウェア企業NetAppでデータ管理ソフトウェアである「ONTAP」担当チーフエバンジェリストを務めるジェフ・バクスター氏だ。

 「既存のソリューションにもNVMeに対応可能なものがある。例えばNVMe型ストレージを既存システムに直接接続できるものや、HDDもしくはSAS/SATA型のSSDストレージシステムからNVMe型SSDストレージシステムに段階的に拡張、移動できるものなどがある」(バクスター氏)

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 NTTドコモビジネス株式会社

ストレージの課題を解決、容量無制限の法人向けファイル共有サービスとは?

「データを共有しておいてください」といった言葉はもはや日常となり、共有ストレージの活用は欠かせないものとなっている。一方で、「容量が不足している」「外出先で社内ファイルを閲覧できない」などの課題を抱える企業も多い。

製品資料 株式会社ネットワールド

今さら聞けないストレージの基礎知識:自社に適したモデルをどう選ぶ?

ビジネスにおけるデータの重要性が増す中、それを保存するためのストレージへの注目度が高まっている。それでは、自社に最適なストレージを導入するためには、どのように選定すればよいのか。重要なポイントを分かりやすく解説する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

HDDやSSDではなく「光ディスク」を選ぶ理由

ストレージの主役がHDDやSSDへと移行した今もなお、光ディスクは一定の存在感を保っている。その基本的な仕組みや、長所と短所、主要な用途について、技術的背景の変遷を踏まえつつ解説する。

製品資料 エヌアイシー・パートナーズ株式会社

コンテナ基盤を最短4時間で構築、AI時代に最適な次世代データ基盤の実力とは?

AIなどによるデータドリブンなアプローチが主流となり、データ基盤にはコンテナネイティブな環境への対応が求められている。こうした中、コンテナ基盤を最短4時間で構築でき、大幅なコスト削減も期待できる、次世代データ基盤が登場した。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

大容量SSDが“100TB超え”でHDDを置き去りにした日

SSDは高速なだけでなく、大容量化でもHDDを凌駕(りょうが)し始めている。100TB超のSSDが登場する今、ストレージ選定の常識はどう変わるのか。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...