高速大容量化するも「データの交通渋滞」が課題に
NVMe登場で早まる第1世代フラッシュストレージのリプレース時期、なぜ今なのか?(1/2 ページ)
企業のフラッシュストレージシステムに第2の波が来ている。選定において、パフォーマンスと容量の最適化や、柔軟性確保とネットワーク接続など、考慮すべき要件が多くなった。
ほとんどのデータセンターでは、プライマリーストレージをフラッシュで実装することに決めている。多くのデータセンターは、本番データの保存とアクセスにフラッシュをほぼ100%使用するようになった。既存のフラッシュストレージシステムの更新に乗り出す企業も出始めており、この動きは今後も数年間続きそうだ。
かつては絶大な威力を発揮していた初期のフラッシュストレージは徐々に老朽化している。その更新について、フラッシュストレージシステムの更新に乗り出す企業はIOPS(1秒当たりに処理できるI/Oアクセスの数)以外の要素にも目を向けようとしている。
なぜ早々と更新するのか
ほとんどのデータセンターでは、初めてオールフラッシュストレージシステムや、フラッシュが大半を占めるシステムを購入してから3年もたっていない。このことから、フラッシュストレージシステムを更新するのは時期尚早に思われるかもしれない。だが、技術の変化は速く、フラッシュの場合は通常よりさらに速い。
フラッシュにおける第1の大きな変化はストレージ容量だ。3年前は、128GBや256GBのフラッシュドライブが一般的だった。今ではほとんどのベンダーが16TBのフラッシュドライブを出荷しており、50TB以上のフラッシュドライブを2018年に出荷しようと準備中のベンダーも幾つかある。問題は、ほとんどのフラッシュストレージシステム、特に初期のシステムは、容量やタイプの異なるフラッシュドライブを組み合わせられなかったことだ。
もう1つの大きな変化は、内部と外部のネットワーク接続だ。内部的には、データセンターで使われるフラッシュストレージシステムの大半は、ドライブとマザーボードの接続に「SAS(Serial Attached SCSI)」を使用している。SAS接続の12Gbpsという転送速度は、フラッシュが導入され始めたころは受け入れられていたが、フラッシュストレージシステムを使用するシステムが増えるとともに、SAS接続では対応しきれなくなっている。また、SASはSCSIプロトコルで通信を行うが、SCSIは、SSDではなく、回転ディスクを使用するHDD向けに設計されている。このことは、レイテンシ(データ遅延時間)を大幅に増やす原因となっている。
同様に、外部接続も進化している。ほとんどのフラッシュストレージシステムは、当初は8Gbpsまたは16Gbpsのファイバーチャネルか、10Gbpsイーサネットを採用していた。これも初期のケースでは申し分なかった。だが、インフラに多くのホスト(端末)が追加され、仮想マシンやコンテナがホストに追加されるとともに、ストレージシステムへのI/O転送量が急激に増加している。この接続もSCSIを使用している。
そこで出番となるのが、新しいフラッシュ接続規格の「NVMe(Non-Volatile Memory Express)」だ。NVMeはSSD向けに設計されており、SCSIのようなレイテンシはない。ベンダーは、NVMeに切り替えることで、パフォーマンスが少なくとも約50%向上するとしている。NVMeではスケーラビリティ(拡張性)が改善され、フラッシュをより有効活用できることになる。
また、ほとんどの企業では、第1世代のフラッシュストレージシステムの購入目的は、特定のパフォーマンス問題を解決することか、既存のHDDベースシステムの寿命を伸ばすことだった。当時のフラッシュストレージシステムは一般的に、企業全体をサポートするのに必要なスケーラビリティや信頼性が欠けていたが、それは、フラッシュシステムが既存システムの拡張に使用されたことで、フラッシュのパフォーマンスの可能性を完全に発揮することができずにいたからだ。
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