“業務フルクラウド化”の東京工科大学が学生システムをオンプレミスに残した訳ハードウェアの保守は学生が担当

東京工科大学は、学生が利用するシステム群をハイブリッドクラウドで運用し、学内データセンターの保守を学生が担当している。その理由とは。

2020年04月20日 05時00分 公開
[上田 奈々絵TechTargetジャパン]

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 クラウド活用を推進する東京工科大学は、学生が利用するシステムのためのITインフラとして、自校のデータセンターで運用するプライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドを構築している。アクセス集中時にも安定したサービスを提供するためにパブリッククラウドを採用し、学内にある既存のデータセンターは学生の学習機会を創出するのに役立てている。本稿は東京工科大学のクラウド環境と、ITインフラを使った教育への取り組みについて取り上げる。

写真 東京工科大学

オープンソース技術でクラウドを構築

 現在東京工科大学は学生向けシステムの基盤として、学内データセンターとパブリッククラウドの「Amazon Web Services」(AWS)を組み合わせて利用している。学内データセンターのサーバは部品から自校で組み立てており、プログラミング言語の「Java」を中心にオープンソースの技術を採用した。Webコンテンツ管理(WCM)システムの「WordPress」といったサブシステムはコンテナ管理ソフトウェアの「Docker」環境で稼働させている。その他のサブシステムも徐々にコンテナへ移行させている最中だ。

写真 東京工科大学 田胡和哉氏

 「オープンソース技術とコンテナ利用は、当校のクラウド運用方針に合っている」。東京工科大学コンピュータサイエンス学部教授の田胡和哉氏はこう語る。同校はクラウドの運用において、システムの移動可能性(ポータビリティ)を確保して、エンドユーザーが主導権を持ってシステムを選定し利用できるようにすることを重視している。「コンテナ技術を利用することで、ITインフラとなるハードウェアやクラウドサービスを変更する際、比較的簡単にシステムを移動できる」(田胡氏)

「業務系はパブリッククラウド化、学生系はオンプレミス維持」の理由

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