「Windows Server」のパフォーマンスを高めるには、さまざまな観点で無駄をなくしたり最適化したりする工夫が効果的だ。パフォーマンス向上に役立つ4つのポイントを紹介する。
サーバOS「Windows Server」における処理の高速さやレイテンシ(遅延)の短さといったパフォーマンス向上のこつを紹介する本連載。中編「Windows Serverを遅くする『メモリリーク』『ページング』『無駄アプリ』とは?」に続き、Windows Serverの設定を最適化してパフォーマンスを高める4つのポイントを紹介する。
Windows Serverが搭載するサービス制御ツール「Service Control Manager」を使い、バックグラウンドで動作してはいても、運用中のサーバ機能には不要なあらゆるサービスを無効にする。この工夫は、Windows Serverのパフォーマンスとセキュリティの両方を高める。システムでアクティブに動作するプログラムが多いほど、攻撃者にとって攻撃対象領域が大きくなる。Windows Serverのほとんどのサービスは高い権限で動作するので、サービスに脆弱(ぜいじゃく)性があると悪用される可能性がある。
メールサーバ「Exchange Server 2016」など一部のアプリケーションは、機能するためにGUI(グラフィックユーザーインタフェース)を必要とする。だが、ほとんどのアプリケーションはそうではない。Microsoftは「Windows Server 2016」以降では、Windows ServerのGUI付きバージョンを「Server with Desktop Experience」、GUIなしバージョンを「Server Core」と呼ぶ。
Windows ServerのアプリケーションがGUIなしでも事足りることが分かったら、GUIをアンインストールしてOSのリソース消費を効率化できる。これはコマンドラインツール「PowerShell」でサーバを管理しなければならなくなるということではない。PowerShellで管理する選択肢もあるが、リモートマシンからGUIベースの管理ツールを実行することも可能だ。
物理サーバでWindows Serverが動作している場合、パフォーマンスを最適なレベルに保つ上で重要なことの一つは、デバイスドライバを最新の状態に保つことだ。サーバベンダーは通常、デバイスドライバの更新版を定期的にリリースする。それを導入することで、パフォーマンスが改善することがよくある。
Microsoftがデバイスドライバを提供する場合もあるが、一般的にハードウェアベンダーが提供するデバイスドライバを使う方がよい。Microsoftが提供するデバイスドライバは、ハードウェアに合わせたチューニングがなされていない可能性があるからだ。その場合、ハードウェアベンダーのデバイスドライバを使用した場合と同等のパフォーマンスは期待できない。
Windows Serverは、CPUのスケジューリング(リソースの割り当て)に2つの方式を採用している。CPUをエンドユーザー向けのアプリケーションの実行に最適化する方式と、バックグラウンドで稼働するサービスの実行に最適化する方式だ。サーバが実行するアプリケーションやサービスによって適切なスケジューリング方式は異なる。ただしサーバがGUIを備えていない場合は、一般的にサーバをバックグラウンドサービス向けに最適化する。スケジューリング方式は、管理者権限でPowerShellを開き、確認したり手動で変更したりできる。
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