「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)が登場したことで、今後も無線LANの利用が広がるかと問われれば、実はそうとは言い切れない。無線LANに影を落とす要因とは。
無線LANベンダー各社は「IEEE 802.11ax」(業界団体Wi-Fi Allianceが定める名称は「Wi-Fi 6」)の導入によって得られるさまざまなメリットを宣伝している。より高速な通信ができる、より効率的に多数のクライアントデバイスを接続できる、クライアントデバイスのバッテリー駆動時間が長くなる、といったものだ。こうしたメリットが頭にあると、企業は既存の無線LANアクセスポイントが更新時期を迎えるとき、真っ先にIEEE 802.11ax準拠製品を導入することになるだろう。
IEEE 802.11axのこうした華々しいマーケティングのメッセージに、影を落とす現実があることを、企業は認識しておいた方がいい。
今後も「IEEE 802.11」から続く無線LANは常に必要とされるだろう。だがその必要性は以前ほどは高くなくなる可能性がある。無線LAN以外の無線技術が定着すると考えられるからだ。
「5G」(第5世代移動通信システム)の活用に向けて、新たな無線利用の形態が登場している。米国政府が保有する周波数帯を市民と共用する「市民ブロードバンド無線サービス」(CBRS:Citizens Broadband Radio Service)や、IoT(モノのインターネット)向けの長距離データ伝送が可能な無線などが、IEEE 802.11axと並んで注目を集めている。このような状況の中で、ネットワークエンジニアも無線LANの限界を理解しつつある。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行し、企業のIT予算計画にも影響を与えた。単一の技術ではなく、アプリケーションに最適な技術を個別に適用することの重要性が高まっている。無線に関しても、全てのアプリケーションを無線LANで運用すると決めてかからない方がいい。産業用などオフィス以外のアプリケーションについては、無線LAN以外にも検討すべき新しい選択肢が出ている。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
セキュリティ、人材不足、管理負荷増――ネットワークの課題解決の最適解を探る (2025/6/20)
ビジネスの“生命線”となるネットワーク管理を効率化するための最適解とは? (2025/6/20)
IoTやAIのエッジでの活用も期待、組み込みコンピュータの今後はどうなる? (2025/5/23)
もし“キーマン”がいなくなったら? 属人化しないデータセンター運用の作り方 (2025/3/18)
多拠点ネットワークの苦悩「セキュリティ、運用負荷、コスト」をどう解消? (2025/2/20)
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...