「Wi-Fi 6は旧規格と互換性がある」がイエスでもノーでもある理由無視できないパフォーマンスへの影響

無線LAN規格「IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)は、旧規格との互換性があるのか。その答えは規格上はイエスだが、実運用を考慮すると実質的にノーとなる場合があるという。それはなぜなのか。

2020年03月15日 08時30分 公開
[Lee BadmanTechTarget]

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 新しい無線LAN規格はどれも、解決を要する多大な混乱をもたらす可能性がある。

 最新の無線LAN規格「IEEE 802.11ax」(業界団体Wi-Fi Allianceによる名称は「Wi-Fi 6」)は、通信技術の標準化を担う米国電気電子学会(IEEE)による標準化はまだ済んでおらず、ドラフト版の段階だ。ただしWi-Fi Allianceは、Wi-Fi 6の製品認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED 6」を既に始めている。無線LAN規格はIEEEが策定している。Wi-Fi Allianceは規格策定には携わっておらず、IEEEの取り組みに基づいて限定的な相互運用性をテストする、さまざまな製品認証プログラムを実施している。

 Wi-Fi 6準拠の消費者向けハードウェアは既に登場しており、こうしたハードウェアをいち早く導入する企業も出始めている。こうした中、無線LAN規格の互換性が、最もよく質問される事項の一つとなっている。これまでの各無線LAN規格はいずれも基本的な要素として、新規格が旧規格の機能を一部包含する「後方互換性」を備えている。Wi-Fi 6も同様だ。ただし、こうした標準規格の常として、話はそれだけでは終わらない。

 あなたが古い無線LAN規格に準拠したクライアントデバイスを持って、私が運用する無線LANアクセスポイントに接続させようとしよう。残念ながら、あなたは無線LANに接続できないだろう。それはなぜか。私は無線LAN規格「IEEE 802.11ac」(Wi-Fi Allianceによる名称は「Wi-Fi 5」)準拠の無線LANアクセスポイントを使っている。Wi-Fi 5は旧規格との後方互換性が約束されている。だが実際には、この後方互換性は額面通りに受け取れない。このことはWi-Fi 6にも当てはまる。

互換性を取るか、快適さを取るか

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