クラウド移行コストを漏れなく計算する3つのステップ【中編】
無料の料金計算ツールも 「クラウドサービス」のコストを計算する基本的な方法
クラウドサービス移行にコストメリットがあるかどうかを判断するには、クラウドサービスの利用にかかる総コストを正しく把握することが不可欠だ。コストを計算するための具体的な手段を整理する。
アプリケーションのクラウドサービス移行を検討するときに、企業が考慮すべき重要な要素は、移行時のコストとクラウドサービスの利用料金だ。初めにオンプレミスシステムのコストを見積もったら、移行先として想定するクラウドサービスのコストを計算し、両者を比較する。前編「脱オンプレミスからのクラウド移行が『お得』かどうかを見極める方法」に続く本稿は、クラウドサービスのコストを計算するときのポイントを説明する。
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クラウドのコストを抑えるには
クラウドコスト計算ツールを活用する
ステップ2.クラウドサービスのコストを計算する
コスト計算のとき、オンプレミスシステムはCAPEX(設備投資)が基本となる。対してクラウドサービスはOPEX(運用経費)が基本だ。クラウドサービスのコストは幾つもの変動要素があるため、利用料金の計算が難しい。
ベンダーによって採用する料金体系は異なるものの、一般的にクラウドサービスの利用料金は、使用するリージョン(地域データセンター群)とリソースの使用量によって決まる。クラウドストレージの場合、大量のストレージを使用する場合の容量単価は、数GB(ギガバイト)のデータしか保存しない場合よりも安くなる。クラウドサービスの利用料金は、リソースを前もって予約するか、必要になった時点で調達するかによっても異なる。
クラウドコストの計算ツールを活用する
クラウドサービスの利用料金を計算する最良の方法は、専用の計算ツールを使うことだ。主要なクラウドベンダーはいずれも、次のような独自の計算ツールを提供している。
- Amazon Web Services(AWS)の「AWS Pricing Calculator」
- Microsoftの「Pricing calculator」
- Googleの「Google Cloud Platform Pricing Calculator」
Microsoftの「Total Cost of Ownership (TCO) Calculator」など、既存のオンプレミスシステムのコストとクラウドサービスのコストをそれぞれ見積もり、比較するために設計されたツールもある。これらのベンダー独自の計算ツールは、各ベンダーのクラウドサービスでしか利用できない点に注意が必要だ。
複数のクラウドサービスのコストの見積もりや比較に使えるツールを探している場合は、Apptioの「Apptio Cloudability」やCloudCheckrの同名コスト管理ツールといった、サードパーティーの代替ツールが役立つ。これらはコスト計算ツールというよりも、複数のクラウドサービスのためのコスト最適化および容量管理に利用するためのツールだ。そのためクラウドサービスの利用料金の予想精度は、クラウドベンダー各社の計算ツールには及ばない。
どのクラウドサービスを利用するかも重要
どのようなクラウドサービスをどれくらい使用するかについても考慮が必要だ。仮想マシン(VM)サービスやクラウドストレージといった基本的なサービスの他に、コンテンツ配信を支援するCDN(コンテンツ配信ネットワーク)やDDoS(分散型サービス妨害)保護サービスなどがある。これらはアプリケーションのパフォーマンスやセキュリティを高める有益なサービスだ。こうしたサービスの導入は効果的だが、使用すればするほど、クラウドサービス移行後の利用料金や必要なスキルが増加する。
次回は3つ目のステップ「管理ツールの利用コストを計算する」を紹介する。
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