“PaaSでクラウド破産”を防ぐ効果的な方法「PaaS」を解剖する【第3回】

PaaSには利用料金が高額になりやすいといった課題がある。こうした課題を解消しつつ、PaaSのメリットを得るにはどうすればよいのか。

2022年06月24日 05時00分 公開
[Tom NolleTechTarget]

 ミドルウェアを中心としたソフトウェア機能をクラウドサービスとして利用できる「PaaS」(Platform as a Service)によって、ユーザー企業はアプリケーション開発を効率化したり、アプリケーション管理を容易にしたりできる。一方でPaaSを利用することで、クラウドサービスの利用料金の増大を招いたり、アプリケーションを他のインフラに移行させづらくなったりする可能性がある。こうしたPaaSのデメリットを抑える方法を説明する。

PaaSのデメリットによる影響を小さくするには

併せて読みたいお薦め記事

連載:「PaaS」を解剖する


 PaaSの利用料金を正確に見積もることで、PaaSのリスクを最小限に抑えることが可能だ。利用するPaaSのソフトウェア機能を慎重に選べば、利用料金を節約できる可能性がある。

 クラウドベンダー各社は、PaaSの利用料金を見積もるためのツールを用意している。利用料金計算ツールにアプリケーションの使用状況を入力し、正しくPaaSの利用料金を見積もることは、利用料金の極端な高騰を回避する上で役立つ。

 PaaSのコスト増大を抑えるための鍵となるのが、導入するPaaSの選定だ。例えばAmazon Web Serviceの「AWS IoT Core」やMicrosoftの「Azure IoT Central」など、IoT(モノのインターネット)アプリケーションの開発に特化したPaaSは、実質的にはイベント処理やデータベースなどの個別の機能やサービスを組み合わせ、パッケージにしたものだ。機能が豊富なPaaSは、そのPaaSが搭載する全機能を必要としないのであれば、利用するときに無駄なコストが発生する可能性が高い。


 利用するPaaSの種類が多いほど、これらの対策を実施することは難しくなる。そのような場合は、クラウドベンダーに依存しない独自のPaaSを構築できるPaaS構築ソフトウェアを検討するのが賢明だ。第4回は、PaaS構築ソフトウェアの選び方と利用方法を説明する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

技術文書・技術解説 ドキュサイン・ジャパン株式会社

導入が進む一方で不安も、電子署名は「契約の証拠」になる?

契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

VMware「永久ライセンス」を継続する“非公認”の方法

半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

無計画なハイブリッドクラウドが招く弊害、次世代のITインフラでどう解消する?

クラウドファーストの流れが加速する中、無計画に構築されたハイブリッドクラウドの弊害が多くの企業を悩ませている。ITオペレーションの最適化を図るためには、次世代のハイブリッドクラウドへのモダン化を進めることが有効だ。

市場調査・トレンド 日本ヒューレット・パッカード合同会社

ハイブリッドクラウド環境におけるワークロードの配置を最適化する方法とは?

ワークロードを最適な環境に配置できる手法として注目され、多くの企業が採用しているハイブリッドクラウド。しかし、パフォーマンス、法令順守、コストなどが課題となり、ハイブリッドクラウド環境の最適化を難しくしている。

市場調査・トレンド 株式会社QTnet

業種別の利用状況から考察、日本企業に適したクラウドサービスの要件とは?

システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

“PaaSでクラウド破産”を防ぐ効果的な方法:「PaaS」を解剖する【第3回】 - TechTargetジャパン クラウド 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...