クラウドサービスへのアプリケーション移行はかつて、オンプレミスのサーバで運用していたアプリケーションを、仕組みを変えずに「IaaS」(Infrastructure as a Service)にそのまま持ち込む「リフト&シフト」が中心だった。今では始めからクラウドサービスで運用することを想定してアプリケーションを開発することは、珍しくなくなっている。こうした変化を受けてクラウドベンダーは、ユーザー企業がクラウドサービスでのアプリケーション開発に使用できるソフトウェア機能を「PaaS」(Platform as a Service)として提供するようになった。
PaaSには主に4つのメリットがある。それは
の4つだ。それぞれを詳しく説明しよう。
企業はPaaSを使用すると、アプリケーションの開発を簡素化しやすくなる。大半の開発者が必要とするソフトウェア機能が、事前構築済みのクラウドサービスとして利用できるからだ。そのため開発者が全てのアプリケーションの機能を独自に開発する必要がなくなり、アプリケーション開発が効率的になる。企業はPaaSを利用することで、アプリケーションの開発時間や開発者の人数、開発予算を削減できる可能性がある。
PaaSは、さまざまなソフトウェア機能をそろえる。仮想マシン(VM)やデータベース管理システム(DBMS)といった基本的なソフトウェア機能から、IoT(モノのインターネット)アプリケーション開発ツールなど特定用途に特化したソフトウェア機能まで、ラインアップはさまざまだ。
一から独自にアプリケーションを構築している企業が、そのアプリケーションに精通する開発者を新たに見つけることは難しい。アプリケーション開発にPaaSを利用すれば、そのPaaSを使ったアプリケーションの開発経験がある開発者を見つければよいので、開発者を確保しやすくなる。
アプリケーションを稼働させるインフラの構築や規模拡大・縮小は、PaaSを使うことで容易になる。PaaSを利用することで、企業はアプリケーション開発に専念できるだけでなく、開発期間を短縮できる。
PaaSの利用にはリスクもある。第2回は、PaaSのデメリットを説明する。
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