イングランドの強豪プロサッカークラブであるマンチェスター・シティFCは、ファンの体験価値を向上させるためにITを駆使している。具体的に何をしているのか。
サッカー強豪として知られるManchester City Football Club(マンチェスター・シティFC)が、オンライン調査ソフトウェア企業Qualtricsと手を結ぶ。ファンからのフィードバックを活用して、試合当日の体験を強化するためだ。
イングランドのプロサッカーリーグPremier League(プレミアリーグ)に属するマンチェスター・シティFCは、City Football Group(以下、CFG)が保有するクラブの一つだ。CFGは米国プロサッカーリーグMajor League Soccer(MLS:メジャーリーグサッカー)のNew York City Football Club(ニューヨーク・シティFC)や、オーストラリアのプロサッカーリーグA-League Men(Aリーグ・メン)のMelbourne City Football Club(メルボルン・シティFC)も保有する。
マンチェスター・シティFCが長期的に商取引関係を結んでいるSAPは2019年、Qualtricsを買収した。2020年に新規株式公開(IPO)という形で部分的に手放したものの、現在もQualtricsの株式の過半数を保有している。
2013年5月設立のCFGは、世界各国の主要都市にフットボールクラブやアカデミー、技術サポート企業、マーケティング企業など、サッカー関連ビジネスを所有している。CFGの株式はAbu Dhabi United Group(ADUG)が過半数を保有している。
CFGと傘下のクラブは2015年から、ファンとの交流に加え、選手の獲得やパフォーマンスの向上などの業務にもSAPの技術を使用している。2016年にはマンチェスター・シティFCがホームであるEtihad Stadium(エティハドスタジアム)に「#CityPulse Wall」という、タッチスクリーン搭載のインタラクティブなデジタルサイネージを公開した。
#CityPulse Wallの中のシステムは、SAPのPaaS(Platform as a Service)である「SAP HANA Cloud Platform」(HCP)で構築している。CFGは#CityPulse Wallを設置する目的について、ファンのエンゲージメントを高めるためだと説明している。
後編は、マンチェスター・シティFCがQualtricsとの提携で進める「エクスペリエンスマネジメント」の具体策を見る。
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