マーケティングオートメーション(MA)を学ぶための学習コース6選マーケティング効率化の基礎知識を学習

マーケティング活動におけるMAツールの使用と技術の理解はもはや必須のスキルになりつつある。Linkedinやコーネル大学、Courseraなどが提供する主要なマーケティング施策の学習コースを6つ紹介する。

2024年04月23日 05時00分 公開
[Christine CampbellTechTarget]

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 マーケティング活動を自動化することをマーケティングオートメーション(MA)という。MAツールを使うことでマーケティング活動の効率の向上や、マーケティング活動に関わる部門間のスムーズな情報連携の実現が期待できる。

 せっかくMAツールを導入したものの、期待した運用ができない場合がある。その課題の解消に役立つ可能性があるのが、MAの学習コースや認定資格だ。マーケティング担当者は学習の過程で、カスタマージャーニー(製品やサービスに対する認知から購入までの過程)マップの制作や分析、EC(Eコマース:電子商取引)サイトでの売上高を向上させるパーソナライゼーション施策などを学ぶことができる。AI(人工知能)技術の活用方法について学べるものもある。本稿は、6団体が提供するMAツールの学習コース6つを紹介する。

コース1.HubSpotの「Email Marketing Certification」

 マーケティング支援ベンダーHubSpotは、「HubSpotアカデミー」としてマーケティングやカスタマーサービス施策の無料オンライン学習コースと認定資格を提供している。同アカデミーが提供する「Email Marketing Certification」は、メールマーケティング施策を活用したい中小企業の経営層やIT担当者、個人事業主向けに設計されている。

 コースは9つのレッスンで構成されており、受講の所要時間は約4時間。受講料は無料だ。メールのパーソナライゼーションや自動化、読者に行動を促すメールデザイン、A/Bテストについて学ぶことができる。HubSpotアカデミーのユーザーはオンラインコースの受講だけでなくオンラインの学習グループでの活動も可能だ。

コース2.LinkedInの「Marketing Automation: How to Build a Successful Campaign」

 ビジネス向けSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)LinkedInは、オンライン学習サービスの「LinkedIn Learning」を提供している。同サービスの「Marketing Automation: How to Build a Successful Campaign」は、MAの用語や目的などの基礎と、ワークフロー設定や運用などの実践を43分で学べる。30日間は無料で利用可能で、修了証はPDFとしてダウンロードしたり、ユーザー自身のLinkedInのプロフィールに実績として追加したりすることが可能だ。年間契約の場合、受講料は月額19.99ドルから利用できるが、利用人数やプランによって受講料金は異なる。

コース3.コーネル大学の「Marketing Automation and AI」

 コーネル大学(Cornell University)が提供する「Marketing Automation and AI」は、MAにおけるAI技術の活用に特化している。受講期間は2週間、週3〜5時間の学習が必要だ。同大学の「Marketing AI」「Growth Marketing」「Digital Marketing 260」を組み合わせて受講することで複数の修了証を取得できる。

 同大学が提供する「Digital Transformation in Marketing」や「Assessing Opportunities in Paid Digital Media」「Assessing Opportunities in Owned Digital Media」を受講済みか、関連の業務経験を持つことが受講の条件だ。修了証明書を得るためのプログラムの学費として、3699ドルがかかる。

コース4.Coursera「Think Outside the Inbox:Email Marketing」

 Courseraは誰でも受講可能な大規模公開オンライン講座(MOOC)を配信する団体だ。CourseraはMA関連のコースとして「Think Outside the Inbox:Email Marketing」を提供している。Googleが提供するデジタルマーケティングやECの専門家認定プログラム「Google Digital Marketing & E-Commerce Professional Certificate」の学習コースの一部として、メールマーケティングの基本や戦略の立案、マーケティング施策で収集したデータの分析などについて学ぶことができる。

 受講時間は約25時間。最終講義では、それまでに学んだ内容を踏まえて自身のメールマーケティング施策を実施する。コースは7日間無料で受講できるが、それ以降はCouseraのさまざまな学習コースが受けられるようになる「Cousera Plus」の利用料金が月額59ドルかかる。

コース5.Skillshareの「Marketing Automation & Email Marketing for Beginners」

 オンライン学習コミュニティーを手掛けるSkillshareの「Marketing Automation & Email Marketing for Beginners」は、MAの概説やメールマーケティング、MAツール、事例紹介など8つの内容で構成されている。受講時間は約1時間だ。クラスでのオンラインディスカッションに参加することもできる。

 実践の講義ではMailchimpの同名メール広告ツールを使う。同ツールを使用していない受講者には手応えをつかみにくいと感じる可能性がある。受講料はユーザーが居住する地域によって異なる。

コース6.ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院の「Digital Marketing Strategies: Data, Automation, AI & Analytics」

 ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院(Northwestern University Kellogg School of Management)が提供する「Digital Marketing Strategies: Data, Automation, AI & Analytics」は、MAに限らず、デジタル時代のマーケティングについて学ぶことができる。例えば顧客データの解析と洞察の取得、カスタマージャーニーマッピング、企業ブランドのストーリー構築、マーケティング施策などだ。受講期間は約9週間で、学費は2750ドル。

自分に適したコースを選ぶ基準は?

 どの学習コースを利用すればよいか迷ったら、以下のポイントに着目するのをお勧めする。

  • 学習コースが何の情報を特に提供しているかどうか
    • MAツールの使い方に重点を置いたコースもあれば、MAの概要や、利用可能なソフトウェアの種類について情報を提供するコースもある。
  • 学習コースの内容や教材が、基本的な知識と実践的な課題を組み合わせたものかどうか
  • 修了後のサポートの有無
    • 修了証を授与したら終わりという学習コースもあれば、受講後の質問受付や、MAの実務者コミュニティーへのアクセスを可能にする仕組みを持つ学習コースもある。
  • 予算と時間にどの程度投資できるか
  • 必要な前提知識や予備知識の有無
    • CX(顧客体験)やCRM(顧客関係管理)ツール、カスタマージャーニーマッピングといったMAに関する基礎知識が学習者にあることを前提とした学習コースかどうか。
    • 学習コースの一部として基礎知識を学ぶことができるかどうか。

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