「コンタクトセンター」は新しい技術を取り入れながら、進化を続けてきた。コンタクトセンターはどのように変化してきたのか。これまでの歴史を技術的な観点で振り返る。
従来の電話に加えて、チャットbotやクラウド技術を導入するなど、顧客からの問い合わせ受け付けを担う「コンタクトセンター」は大きく変容してきた。そして今日の人工知能(AI)、特に「ジェネレーティブAI」(生成AI:テキストや画像などを自動生成するAI技術)の目覚ましい革新は、コンタクトセンターのさらなる変化を暗示している。
コンタクトセンターは、その時代を席巻した技術を取り入れて進歩してきた。
顧客から企業への手紙を電話が代替し、コールセンターが生まれた。次にメールが登場し、顧客が企業とコンタクトを取るための新たなチャネルとなった。さらにチャットbotを含むセルフサービスシステムが生まれ、アクセス手段はマルチチャネル化した。
電話以外のチャネルを提供するようになったコールセンターは、コンタクトセンターへと変貌。複数のチャネルを持つことで、企業はより豊富な、さまざまなタイプの顧客データを得ることができるようになった。
コンタクトセンターは、顧客が異なるチャネルで、どのようにコミュニケーションを取るのかを明らかにした。人のエージェント(一次窓口担当者)を相手にした場合と、チャットbotを相手にした場合で、対話内容に違いがあるといったことも分かってきた。
2000年代後半にはクラウドサービスが急速に普及。CX(カスタマーエクスペリエンス)ベンダー各社は、コンタクトセンターシステムのクラウドサービス「CCaaS」(Contact Center as a Service)を展開するようになる。
次の大きな技術革新はAI技術だ。AIベンダーOpenAIが2022年11月に公開したAIチャットbot「ChatGPT」は、生成AIへの企業や消費者の関心を急速に高めている。生成AIはテキストや画像に加えて、音声さえも生成できるAI技術だ。生成AIが技術に与える影響は、すでにコンタクトセンターの未来にも影響し始めている。
次回は、AI技術がコンタクトセンターに与える影響を深掘りする。
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