PCとサーバの供給が部品不足でも絶えない“Dellの謎”サプライチェーン崩壊の危機【後編】

インフラの需要は堅調である一方、PCやサーバの部品不足の状況は続いている。Dell Technologiesも部品不足の影響を受けている。ただし同社はある理由から、「供給できない事態」を回避できているという。

2022年07月22日 05時00分 公開
[Yann Serra, Antony AdsheadTechTarget]

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 PCやサーバの部品不足の状況が続いている。そうした中でも、データセンターへの投資は堅調だ。調査会社IDCのレポートによると、2021年のクラウドインフラへの投資は前年同期比8.8%増の約739億ドルだった。同様にクラウドインフラ以外のデータセンターにおける2021年の投資は、同4.2%増の514億ドルだった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミック(世界的大流行)の影響で、企業が支出を控える時期があった。だがその後はインフラに対する需要が戻り、「非常に堅調に推移している」とDell Technologiesの副会長兼COO(共同最高業務執行責任者)、ジェフ・クラーク氏は語る。

 部品不足のあおりはDellも受けているという。だが同社が発表した2023年第1四半期(2022年2月〜2022年4月)の業績に、部品不足によるマイナスの影響は見られなかった。クラーク氏によれば、これにはある理由がある。

部品不足に対するDellの“奥の手”とは?

 Dellの2023年第1四半期の業績では、法人向けPCの売上高が前年同期比で約22%の増加、同様にサーバは約16%、ストレージは約9%の増加となった。「他社と同様に、当社も中国の港湾閉鎖による部品供給問題の影響を受けている」とクラーク氏は語る。

 顧客への製品供給を継続するため、Dellは代替のサプライチェーンを見つける必要に迫られたという。「法人顧客が当社に来るのは、当社が代替のサプライチェーンを使って約束通り供給できることを知っているからだ」(クラーク氏)

 Dellの2023年第1四半期の売上高は約261億ドルで、前年同期比で約16%の成長となった。第2四半期以降も成長を継続できるとクラーク氏はみている。

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