「ゲーミフィケーション=楽しい」は幻想? アプリ開発の“泥臭い現実”とはゲーミフィケーションをビジネスに組み込むこつ【第2回】

「ゲーミフィケーションアプリは楽しいもの」というきらびやかなイメージが先行しがちだ。だが専門家は「開発の裏側には“ありふれた苦労”が存在する」と警告する。

2022年08月01日 05時00分 公開
[Margie SemilofTechTarget]

関連キーワード

人事 | CIO | アプリケーション開発


 ゲーム以外の活動にゲームの仕組みを利用する「ゲーミフィケーション」という単語は、ある意味で誤解を招く。ゲーミフィケーションは「ゲーム」という言葉を含むものの、真剣な目標を持つ真剣なビジネスの手段だからだ。あらゆるアプリケーションと同様に、ゲーミフィケーションアプリケーションについても、企業は活用の目標を定め、成功を測定する手段を用意し、エンドユーザーを特定し、そのエンドユーザーを成功に導く動機は何なのかを理解する必要がある。

「ゲーミフィケーションは楽しくない」と専門家は警告 その真意は

会員登録(無料)が必要です

 ゲーミフィケーションは「魔法のようなものであり、娯楽や楽しみになると思われがちだ」と調査会社Gartnerのアナリスト、ブライアン・バーク氏は話す。実際の楽しさは「それほどでもない」とバーク氏は認める。だが少なくとも企業はエンドユーザーに対して、ゲーミフィケーションアプリケーションを使う気にさせなければならないというのが、同氏の考えだ。

 「開発者はエンドユーザーの学習の助けになるモデルを選ぶ必要がある」とバーク氏は話す。例えば以下の点を考慮する必要がある。

  • 共同作業が求められるゲームなのか、それとも競い合うゲームなのか
  • マルチプレイヤーゲームなのかどうか
  • キャンペーンは継続するのか、それとも終わりがあるのか
  • エンドユーザーは新しいスキルを習得する旅に出るのか、より野心的な構想に基づいて企業文化を変える旅に出るのか

 これらのアイデアは、アプリケーションがエンドユーザー自身の目標を達成する動機付けになる。うまくいけば、目標の幾つかは企業の目標に重なる。こうしたアイデアを実現するには、開発者はアプリケーション設計に行動心理学の要素を取り入れる必要があり、実現は難しい。バーク氏は、小規模なパイロット運用から始めて、テストを繰り返すことでゲーミフィケーションアプケーションを進化させることを推奨する。


 第3回は、ゲーミフィケーションアプリケーションを開発する際のプロダクトマネジメントについて解説する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 日立ヴァンタラ株式会社

鍵はデータの統合、ハイブリッド環境で生成AI導入を成功させる方法

多くの企業では、データの種類や用途に応じて、オンプレミス/クラウドを適材適所で利用している。生成AIを導入するためには、これらの分散したデータの統合が不可欠だ。そこで本資料では、生成AI基盤の構築方法を紹介する。

製品資料 エヌアイシー・パートナーズ株式会社

2分で分かる、IBMストレージ&IBM Power製品向け「機械保守サービス」の実力

IBMストレージ製品やIBM Power製品をはじめとしたITインフラの運用には、適切なメンテナンスが必要だが、自社で行うには限界もある。IT担当者の負担を軽減しながら、計画外ダウンタイムの削減やリスクの最小化を実現するには?

製品資料 NTTドコモビジネス株式会社

AI時代に求められる、高性能GPUをフル活用するためのAIインフラとは?

DX推進やCX向上、脱炭素・循環型社会の実現と、いま企業にはさまざまな取り組みが求められている。その中で企業のAI活用も急拡大しているが、AIを最大限活用できるインフラを自社のリソースのみで構築するには多くの課題がある。

製品資料 ワタップ・ジャパン株式会社

Kubernetes運用者のための「オブザーバビリティ」ガイド

Kubernetesは、数千のマイクロサービスに分散されているコンテナベースアプリケーションが複雑で、その運用においては可視化と観測が必須である。本資料では、Kubernetes運用に「オブザーバビリティ」が不可欠な理由を詳しく解説する。

市場調査・トレンド 株式会社日立ドキュメントソリューションズ

オフィス移転/改装の実態調査で分かった、働く環境の変化がもたらす意識変革

オフィスが持つ役割が多面的になり、企業によって重視するポイントも異なるようになった。本資料では、オフィス移転/改装の実態を調査したレポートを基に、改革の際に押さえるべきポイントを解説する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...