マーケティングに不可欠な「DMP」は、これまで「サードパーティーcookie」に依存してきた。そのサードパーティーcookieの利用を廃止する動きが広がっている。そもそもサードパーティーcookieの何が問題なのか。
「DMP」(データマネジメントプラットフォーム)には利点があるが、大きな課題もある。表示中のWebサイトの運営企業とは異なる企業が設定したcookieである「サードパーティーcookie」に依存していることがそれだ。DMPはサードパーティーcookieを利用して、顧客の行動パターンを追跡している。
デジタル広告のほとんどはサードパーティーcookieを利用する。これは、Webサイトを閲覧する顧客のデータが、顧客の知らない企業に流れてしまう可能性があることを意味する。
サードパーティーcookieは、表示中のWebサイトの運営企業が設定できるcookieである「ファーストパーティーcookie」とは異なる。ファーストパーティーcookieは顧客と、顧客がアクセスしたWebサイトだけが共有する。一方でサードパーティーcookieは前述の通り顧客と、顧客が表示しているWebサイトの運営企業だけではなく、それ以外の企業も利用できる。
こうしたサードパーティーcookieの仕組みはこれまで、うまく機能してきた。やがてプライバシーに関する懸念の高まりから、顧客の間でサードパーティーcookieを削除する動きが広がった。Googleはプライバシーに関する懸念に配慮し、Webブラウザ「Chrome」でのサードパーティーcookieの利用を全世界で廃止する。AppleやMozillaはサードパーティーcookie廃止のための変更を既に実施した。
サードパーティーcookie廃止は一つのトレンドであると同時に、コンプライアンスの問題でもある。GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者保護法)などのプライバシー規則は、新しい消費者の権利やビジネスの規制項目を導入している。
第3回は、脱サードパーティーcookieの動きに対処するDMPベンダーの取り組みを紹介する。
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