データをビジネスに生かす動きが広がる中、「CDP」(顧客データプラットフォーム)の用途はデジタルマーケティングにとどまらず、拡大を続けている。具体的にどのような用途があるのか。
「CDP」(顧客データプラットフォーム)に関するベンダー中立の研究機関であるCDP Instituteは、CDPユーザーを対象として継続的に実施しているアンケート調査「CDP Use Case Generator」への回答に基づいて、2021年12月にレポートを発表した。これによると、73人の回答者の4分の3は、小売業、金融サービス・保険、メディア、ヘルスケア、教育の各業種に属している。これらの業種では、CDPをデータ収集に使用する動きが広がっていると言える。
最も頻繁にCDPを利用するのはマーケティング部門だ。他の部門もCDPの利用を始めており、法務/プライバシー担当者や顧客サービス、営業、データ分析チームでの利用が広がりつつある。一部のエンドユーザーは、予測モデリング(データを使った未知の事象の予測)やアウトバウンドマーケティング(企業が消費者にアプローチするマーケティング)のキャンペーンなど、より高度なデータタスクにCDPを利用し始めている。CDPベンダーが目指すリアルタイム顧客インタラクション(顧客とのリアルタイムでのやりとり記録)、クロスチャネルジャーニーオーケストレーション(複数チャネルを横断した顧客体験のリアルタイム調整)にCDPを利用するエンドユーザーもいる。
企業がCX(顧客体験)管理においてCDPを有効なツールにするには、さまざまなソースからのデータが必要になる。エンドユーザーがCDPに入れる最も一般的なデータは、顧客のパーソナルデータ、トランザクションデータ、Web行動データだ。他には広告データ、購買インテント(興味・関心)データ、人口統計データ、位置データなどを入れることもある。
CDP Instituteの創設者であるデビッド・ラーブ氏によると、CDPの採用はまだ初期段階だ。企業がCDPを使い、プライバシー保護やコンプライアンスの支援といったマーケティング以外でのCDPの価値を理解し始めると、一部のエンドユーザーは、より多くの機能を採用するようになると考えられる。「小規模で始めて比較的単純なことで止まる企業もあれば、用途を次々に追加する企業もある」と同氏は説明。「CDPでできることが分かるにつれて、また新しい利用部門が増えるにつれて、次第に使う機能を増やし始める」とみる。
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