マーケターも驚く「CDP」(顧客データプラットフォーム)の意外な使い道デジタルマーケティングにとどまらない「CDP」の可能性【後編】

データをビジネスに生かす動きが広がる中、「CDP」(顧客データプラットフォーム)の用途はデジタルマーケティングにとどまらず、拡大を続けている。具体的にどのような用途があるのか。

2022年08月03日 08時15分 公開
[Don FluckingerTechTarget]

関連キーワード

CRM | データ | データ分析


 「CDP」(顧客データプラットフォーム)に関するベンダー中立の研究機関であるCDP Instituteは、CDPユーザーを対象として継続的に実施しているアンケート調査「CDP Use Case Generator」への回答に基づいて、2021年12月にレポートを発表した。これによると、73人の回答者の4分の3は、小売業、金融サービス・保険、メディア、ヘルスケア、教育の各業種に属している。これらの業種では、CDPをデータ収集に使用する動きが広がっていると言える。

マーケターも驚き? 意外に広い「CDP」の用途

会員登録(無料)が必要です

 最も頻繁にCDPを利用するのはマーケティング部門だ。他の部門もCDPの利用を始めており、法務/プライバシー担当者や顧客サービス、営業、データ分析チームでの利用が広がりつつある。一部のエンドユーザーは、予測モデリング(データを使った未知の事象の予測)やアウトバウンドマーケティング(企業が消費者にアプローチするマーケティング)のキャンペーンなど、より高度なデータタスクにCDPを利用し始めている。CDPベンダーが目指すリアルタイム顧客インタラクション(顧客とのリアルタイムでのやりとり記録)、クロスチャネルジャーニーオーケストレーション(複数チャネルを横断した顧客体験のリアルタイム調整)にCDPを利用するエンドユーザーもいる。

 企業がCX(顧客体験)管理においてCDPを有効なツールにするには、さまざまなソースからのデータが必要になる。エンドユーザーがCDPに入れる最も一般的なデータは、顧客のパーソナルデータ、トランザクションデータ、Web行動データだ。他には広告データ、購買インテント(興味・関心)データ、人口統計データ、位置データなどを入れることもある。

 CDP Instituteの創設者であるデビッド・ラーブ氏によると、CDPの採用はまだ初期段階だ。企業がCDPを使い、プライバシー保護やコンプライアンスの支援といったマーケティング以外でのCDPの価値を理解し始めると、一部のエンドユーザーは、より多くの機能を採用するようになると考えられる。「小規模で始めて比較的単純なことで止まる企業もあれば、用途を次々に追加する企業もある」と同氏は説明。「CDPでできることが分かるにつれて、また新しい利用部門が増えるにつれて、次第に使う機能を増やし始める」とみる。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 エス・アンド・アイ株式会社

AIで問い合わせ対応業務はどう変わるのか?

コンタクトセンターでは、アフターコールワークや、オペレーターごとの応対品質のばらつきが課題となっている。このような課題を解決する方法としてAIが注目されている。AIによって問い合わせ業務はどのように変わるのだろうか。

製品資料 ユーソナー株式会社

顧客のニーズが見える、カスタマーサービスを加速させるインテントデータ活用術

顧客の真のニーズを捉え、迅速に対応することが求められる中、インテントデータが注目されている。顧客の興味・関心を可視化する他、潜在ターゲットへのアプローチ効率化も可能だ。まだ間に合う、インテントデータ活用のポイントとは。

製品資料 ユーソナー株式会社

Salesforce導入失敗と諦める前に読みたい、定着とデータ活用へのヒント集

営業活動の効率化を目指し、SalesforceなどのSFAを導入する企業が増えている。しかし、「社内に定着しない」「導入コスパが得られない」など課題を抱える企業も多い。そんな課題を解消する、とっておきのマスターデータ活用のヒントとは?

市場調査・トレンド ユーソナー株式会社

SMB市場を攻めたいけど営業リストが使えない……、与信・反社チェックは万全?

日本企業の9割超がSMB(中堅・中小企業)だが、開拓するにはアプローチ先の優先順位付けや与信・反社チェックの難しさなど、多くの壁がある。自社の営業リストに取りこぼしがないかチェックするための3つの要点と、改善の秘策を解説する。

製品資料 ユーソナー株式会社

営業DXの失敗あるある? 「部署ごとに別のシステムを入れてしまった」の解決策

法人営業DXで、各部署でシステムを導入し、データ連携できず失敗するプロジェクトは多い。解決の鍵となるのは、共通キーとなるマスターデータをもつ法人データベースだ。リード獲得からクロスセルまで、営業DXを失敗から救い出す実力とは?

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...