サードパーティーcookieが使えないと「ターゲティング広告」はできないのかサードパーティーcookieの後継者【中編】

ターゲティング広告の手段として普及しているサードパーティーcookieは、プライバシーの観点から利用不可になりつつある。ターゲティング広告に必要な情報を入手するために、企業は何を活用すればよいのか。

2022年05月04日 08時15分 公開
[Christine ParizoTechTarget]

 サードパーティーcookieは、エンドユーザーの訪問先Webサイトとは異なるドメインが発行したcookieだ。「Chrome」をはじめとするWebブラウザがサードパーティーcookieの利用を停止することを受け、広告業界は対処に追われている。

 企業は、サードパーティーcookieを基にWebサイトでのエンドユーザーの行動を把握し、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などのWebサイトにターゲティング広告を配信できる。サードパーティーcookieがなければ、エンドユーザーの特徴や属性をまとめたユーザープロファイルの作成、参照、メンテナンスは困難になる。

 ユーザープロファイルがなければ顧客データを収集できない。顧客データがなければターゲット広告は打てない。

サードパーティーcookieの代わりはあるのか

 GoogleがChromeにおけるサードパーティーcookieの利用停止を発表したとき、「適切なデータを収集できなくなる」と心配する広告業界の声は少なくなかった。企業はターゲティング広告のために、戦略を修正して顧客から直接データを提供してもらわなければならなくなった。

 顧客から入手できるファーストパーティーデータ(自社のWebサイトを訪問したエンドユーザーのデータ)について、以下の情報の把握に適切な手段だと、デジタルマーケティングを支援するThe Upper Ranksの創業者兼CEO、デービッド・ファーカス氏は説明する。

  • オーディエンス(ターゲット広告の対象者)
  • 自社ブランドに対するオーディエンスのエンゲージメント(愛着心)
  • オーディエンスの購入プロセス
  • オーディエンスにリーチする最適な方法を発見するためのより良いアプローチ

 「企業は、エンドユーザーのデバイスを通じた行動追跡ではなく、エンドユーザーが利用するWebサイトやアプリケーションから情報を収集できる」とファーカス氏は語る。こうして得たファーストパーティーデータは、エンドユーザーが次に何を買うかを予測する機械学習モデルの改善に役立つという。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news069.jpg

テレビ派? 有料動画配信派? おすすめの作品は? アニメに関する調査(2024年)
クロス・マーケティングは、国民的メジャーコンテンツに成長したアニメの視聴状況につい...

news106.jpg

広告収入稼ぎの低品質サイト「MFA」を排除するため、マーケターにできることとは?
MFA(Made For Advertising)サイトの本質的な問題点とは何か。マーケターはMFA排除のた...

news036.jpg

“なんちゃってマック”で「チキンビッグマック」体験etc. 米マクドナルドのマルチチャネル過ぎるキャンペーン
McDonald’sは米国での「チキンビッグマック」新発売に当たり、若年層とのつながりを強化...