他国から「データサイエンティスト」「データアナリスト」を採用する政府の狙い先進的な行政のAI活用事例【後編】

IT先進国として知られ、行政サービスにおけるAI活用に取り組むエストニア。同国は世界中の技術者を対象に採用の門戸を開いている。どのようなスキルを求めているのか。同国が目指すものとは。

2022年11月01日 05時00分 公開
[Karl FlindersTechTarget]

 バルト海に面した人口約130万人のエストニアは、ITを行政サービスに取り入れる「電子政府」の実現に取り組む。その一環で同国は、Appleの音声アシスタント「Siri」に似た行政サービス用仮想アシスタント「Bürokratt」の運用を2022年に開始し、この開発支援を進めるための人材を募集した。

他国から専門人材を採用

 エストニアは先端技術の導入に積極的に取り組む一方で、人材が豊富ではないことから、専門のスキルや知識を持つ外国人にも採用の門戸を開いている。エストニア政府が発表した募集分野には、データ分析や機械学習、言語技術(LT)に関連するさまざまな業務が含まれる。応募者は、以下のうち少なくとも1つの役割を担う必要がある。

  • 自然言語処理を扱う「データサイエンティスト」
  • 分析や活用のためのデータを整備、管理する「データアーキテクト」
  • データを収集、分析して知見を提供する「データアナリスト」

 採用された人材は、Bürokratt関連の業務や、行政サービスに活用する人工知能(AI)技術の構築に携わる。政府は採用に当たり、個人およびチームからの応募を受け付けた(募集は現地時間2022年9月6日をもって終了)。

 エストニア政府の最高データ責任者(CDO)を務めるオット・ベルスバーグ氏によれば、Bürokrattは世界政府サミット(World Government Summit)において、AI技術を活用した行政サービスとして高い評価を受けた。「今後も同サービスの改良を重ねていく」とベルスバーグ氏は話す。具体的には、行政サービスにおいて個人データがどのように活用されるのかを、国民が詳細に管理できるように取り組んでいるという。

 技術者はBürokrattの開発に参加することで、欧州の中でも先進的な、ITを行政サービスに取り入れる「電子政府」のプロジェクトに参加し、社会に利益をもたらすAI開発に携わることができる。「エストニア政府はさまざまな分野の専門家を歓迎する」(ベルスバーグ氏)

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