チームメンバーが各所で別々に作業をすることは、パンデミックが発生して以降は一般的になった。さまざま人が映像編集に関わる映画製作は、どう変わったのか。
どうすれば複数人のチームメンバーが別々の場所で効率的に作業を進められるのか――。これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)パンデミック発生以降、さまざまな業界が直面した課題だ。
複数人で映像ファイルを共有したり、編集したりする必要のある映画製作は、どう変わったのか。ホラー系の映画監督であるダミアン・レベック氏は、遠隔で映像編集を実施するためのファイル共有システムを導入した。具体的に、どのように活用しているのか。
レベック氏は、映像関連の機材やソフトウェアを提供するベンダーBlackmagic Designのストレージ製品「Blackmagic Cloud Store」を採用した。同氏は、Blackmagic Designの機器を使うのが初めだったわけではない。Blackmagic Designのカメラやビデオスイッチャー(カメラの映像を切り替える装置)、ケーブル、フォーマットコンバーター(映像フォーマットの変換装置)などを使用してきた。
Blackmagic Designは2022年、Blackmagic Cloud Storeの提供開始を発表した。2023年に公開予定の、レベック氏の次回作の製作が決まった頃だった。同氏はコストを重視して製品を選定し、Blackmagic Cloud Storeを採用することに決めた。
レベック氏は自身について「最先端のものが好きな完全な技術オタクだ」と言う。仕事に最適なツールを探すことを重視しており、「スマートに働く新しい方法を探していた」と説明する。
次回作の製作に必要な機器やソフトウェアを、レベック氏はBlackmagic Designの製品を中心にそろえた。以下はその一例だ。
ファイルをオンラインファイル同期サービスにすぐに移動できる機能は、レベック氏のチームにとっては便利だった。各人が別々の場所にいながら遠隔で作業する必要があったからだ。
レベック氏の制作チームは映像と音声のファイルをまずは小型NASの「Blackmagic Cloud Store Mini」に保存し、それをDropboxに送る。その上で、Blackmagic Cloud Storeにあるプロキシ生成ソフトウェアで映像編集用のファイルを作成する。
例えばロサンゼルスで編集アシスタントが音響効果を映像ファイルに挿入すると、その映像ファイルをBlackmagic Cloud Storeがコピーし、Dropboxに同期する。ダラスで作業をするレベック氏は、同期後の映像ファイルにアクセスできるようになる。「DaVinci Resolve 18で複数のメンバーに同時に作業をしてもらい、音声や映像の編集作業を進めることができる」(レベック氏)
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